さらなる当選を狙い、再び家計からの購入を要求する祥太に、汐里の怒りが爆発。家計からの購入を永久に禁止し、「自分のお小遣いで買え」と突きつけて…。
さらなら夢を求める夫に、限界を感じる
限界が訪れたのは、当選から1か月ほど経ち、熱が冷め始めたころのことでした。夕食時、祥太がスマホでカレンダーを確認しながら、さらなる「夢」を語り出したのです。
「なあ汐里、次の年末ジャンボの時期だけど、また家計から自動購入の設定にしておいてね。今回の200万は序の口だよ。今度は1等狙うから! 流れが来てる気がするんだよなあ」
彼は明るい声で言いました。まるで、当然の権利を主張するかのような口ぶりでした。私は手に持っていた箸を、静かに、でもはっきりとテーブルに置きました。
「……ううん、それはできないよ」
「え? なんで?当たったんだから、縁起いいじゃん。ゲン担ぎとしても継続すべきだろ」
祥太は不思議そうに私を見ました。
これ以上関係を悪化させないために
私は彼の目をまっすぐに見つめ、一文字ずつ噛みしめるように伝えました。
「あのね、祥太。今回のことでよくわかったの。家計から宝くじを買うと、当たっても、当たらなくても、私たちの関係にヒビが入るよ」
「……は? そんなに怒ること?実際、家計は潤ったんだし、家電も新しくなって全員ハッピーじゃん」
祥太の声に苛立ちが混じります。でも、私は退きませんでした。
「たしかに物は手に入ったよね。でも私は祥太に対して『ずるい』って不信感を持つようになった。宝くじってギャンブルみたいなものなのに、当たらない間の出費にはお礼も何もなくて、当たったときだけ祥太に感謝するのはおかしいよ。もし200万じゃなくて、1億だったらどうなってた? 祥太はもっと『俺の金だ』って主張したと思うよ」

