【闘病】耳の後ろにできたコリコリした「できもの」は『血液のがん』だった…

【闘病】耳の後ろにできたコリコリした「できもの」は『血液のがん』だった…

耳の後ろにできた無痛のしこりをきっかけに、やまけんさん(仮称)は「濾胞性リンパ腫」と診断されました。しかし楽観的な性格からか、不安や絶望を感じるよりも、「R-CHOP療法という良い薬がある」という医師の説明に信頼を置き、前向きに治療に臨みます。抗がん剤による脱毛も笑い飛ばし、治療中も自転車に乗り続けるなど、アクティブな生活を維持。仲間との絆と趣味を支えに、がんと向き合うやまけんさんの明るい闘病記をご紹介します。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年11月取材。

やまけんさん

体験者プロフィール:
やまけんさん(仮称)

神奈川県厚木市在住、1972年生まれ。4人家族で妻と社会人の長女、大学生の次女がいる。濾胞性リンパ腫と診断された当時は地元の企業で課長を務めていた。2017年6月に濾胞性リンパ腫と診断。同年7月から10月まで通院し、化学療法を受ける。その後、2019年2月に再発し、同年3月から8月まで通院で化学療法を実施。それ以降服薬はなくなり、年に3回ほどの定期検査を行っている。大学時代から自転車競技に取り組んでおり、以前は娘2人と共に全国遠征に行ったり、大会に出場したりしていた。現在は競技活動を休み、近所でサイクリングを楽しんでいる。

今村 英利

記事監修医師:
今村 英利(ネムクリニック下井草院)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

ただのできものだと思ったら……

ただのできものだと思ったら……

編集部

濾胞性リンパ腫が判明した経緯について教えてください。

やまけんさん

最初に耳の後ろあたりに「コリコリとした硬いできもののようなもの」があることに気づきました。痛みはなく、整形外科でレントゲンを撮りましたが異常はなかったんです。その後、皮膚科で取り除いてもらおうと思い、診察を受けることにしました。すると診察の際に先生から「ここにも、そこにもあるわよ」と、1つだけではなく周囲に複数あると教えてもらい、大学病院への紹介状を書いてもらいました。そこで検査を受けて、「濾胞性リンパ腫」の診断に至りました。

編集部

はじめにカラダに起きた異変、初期症状はどのようなものでしたか?

やまけんさん

耳の後ろのおでき以外、異変という異変は感じられませんでした。初期症状なども特になかった気がします。

編集部

濾胞性リンパ腫が判明したときの心境について教えてください。

やまけんさん

楽観的な性格もあってか、どこか俯瞰的で、まるで他人事のように感じていました。そのため、強い不安感や絶望感はあまりなかったです。

編集部

どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?

やまけんさん

「R-CHOPという化学療法をします」「がん細胞を破壊してくれるとても良い薬ですよ」と医師が説明してくれました。主治医に絶対の信頼を置いていたので、セカンドオピニオン(担当医とは違う医療機関の医師に第2の意見をあおぐこと)を求めてほかの病院に行くことはありませんでした。

自転車と仲間が心の支えだった

自転車と仲間が心の支えだった

編集部

濾胞性リンパ腫発症後、生活にどのような変化がありましたか?

やまけんさん

1回目の治療は抗がん剤の影響や副作用がある可能性を考え、慎重に取り組んだため運動を控えていましたね。ただ、再発時は体調に問題がないときに、自転車(大学時代はサイクリング部に所属し自転車競技に取り組んでいた)に乗っていました。再発時の方が、身体的な負担は小さかったように思います。合併症などもなかったのがよかったのかなと。

編集部

薬の副作用などはありましたか?

やまけんさん

ドキソルビシンという薬の影響で脱毛がありましたが、治療後はすぐに生えてきました。ただ、元々のヘアスタイルが坊主頭だったので、これを機にスキンヘッドを楽しんでいました(笑)。治療中に脱毛していくのが嫌だったので、自らきれいに剃っていました。

編集部

濾胞性リンパ腫の改善、悪化を予防するために気をつけていることはありますか?

やまけんさん

病は気からともいうので、ストレスをためないようにしていますね。平日は仕事帰りに24時間営業のジムに通っていて、天気が良い休日は近所の山にサイクリングに行くのを日課にしています。2019年6月に再発したときも抗がん剤治療をしつつ、BMXレースに出ていました。

編集部

治療中の心の支えはなんでしたか?

やまけんさん

大学時代のサイクリング部の先輩や同期、今の自転車仲間からの励ましが支えでした。また、がんになる直前に偶然加入したがん保険が、金銭的な支えにもなりましたね。

編集部

もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?

やまけんさん

「人生は長いので、病気や怪我によって身体が自由に動かなくなる日が必ずやってきます。その時に後悔しないよう、アクティブに活動しよう」と言いたいです。

≪↓ 後編へ続く ↓≫

※この記事はメディカルドックにて《【闘病】耳の裏の『できもの』は「濾胞性リンパ腫」のせいだった… リンパ系の「がん」》と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

(後編)【闘病】「きっと元気になる」という希望を捨てないで

配信元: Medical DOC

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