テレビを見る長女に留守番を頼み、指紋認証の鍵を信じて家を出た智美。雪道に神経を使いながら長男を回収し、急いで帰宅する。しかし、ヘッドライトが照らしたのは、極寒の外で裸足のまま泣き叫ぶ理人の姿だった。
「たった5分」子どもを置いていくことに
「みお、ちょっと聞いて。お母さん、今からお兄ちゃんを迎えに行ってくるね」
私はテレビを見ているみおの肩を優しく叩きました。
「えー、みお行きたくない、寒いもん」
「いいのよ、みおは理人と一緒にここで待ってて。すぐに、本当にすぐ戻ってくるから。いい子でテレビ見ていてね」
みおは「はーい」と気のない返事をして、画面の中のアニメに視線を戻しました。 理人はスースーと規則正しい寝息を立てています。 玄関のドアを開けると、冷たい風が頬を刺しました。
「はい、鍵もOK。まだあの2人は内側から開けられないし、大丈夫よね」
大雪の中、長男のお迎えに
スタッドレスタイヤを買っておいてよかったと思いつつ、私はアクセルを踏みました。 それでも雪道は滑りやすく、慎重にハンドルを握ります。
「急がなきゃ、でも事故を起こしたら元も子もないし慎重に…」
頭の中では、キッチンに残してきた夕飯の段取りや、明日の幼稚園の準備のことが渦巻いていました。
「お母さん、遅~い」
学童の前で待っていた大地が、雪を被りながら車に乗り込んできました。
「ごめんね、大地。急いで帰ろう。みおと理人が待ってるから」
「えっ、二人だけでお留守番? 大丈夫なの?」

