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子どもが食事を噛まない原因と対処法をクリニック院長小倉先生にお伺いしました

子どもが食事を噛まない原因と対処法をクリニック院長小倉先生にお伺いしました

子どもが食べ物をあまり噛まず飲み込んでしまう。なんとかしたいけれど、どんな対策方法がある?噛まなくなってしまうことに原因はあるの?そんな悩みについて、今回は金沢駅前内科・糖尿病クリニック院長、小倉慶雄先生にお答えいただきました。

「うちの子、あまり噛まずに飲み込んでいる気がする」
「丸飲みしているみたいで心配・・・」

お子さんの食べ方を見ていて、このように感じたことがある保護者の方は少なくありません。食事の時にあまり噛まず、すぐに飲み込んでしまうと、「このままで大丈夫かな」と不安になりますよね。

子どもの『噛む力』は、生まれつき完成しているものではありません。食べ物のかたさや大きさに慣れながら、毎日の食事の中で少しずつ育っていくものです。だからこそ、まずは家庭でできる工夫から始めてみることが大切です。

今回は、子どもがあまり噛まずに飲み込んでしまう時に考えたいこと、家庭でできる工夫、そして受診を考えたい目安についてお伝えします。

そもそも、なぜ「よく噛むこと」が大切なの?

噛むことには、ただ食べ物を細かくするだけではない大切な役割があります。
まず、しっかり噛むことで食べ物がまとまりやすくなり、飲み込みやすくなります。反対に、十分に噛まないまま飲み込むと、むせやすくなったり、食べ物によってはのどに詰まりやすくなったりすることがあります。特に小さなお子さんでは、丸いものやかたいもの、噛み切りにくいものには注意が必要です。

また、よく噛むことは「食べる速さ」とも関係しています。あまり噛まずに早く飲み込むクセがあると、満腹を感じる前にたくさん食べてしまいやすくなります。子どもの頃から『早食い』が続くと、食べ過ぎにつながる可能性もあるため、噛む習慣は将来の食習慣という意味でも大切です。

さらに、噛むことは、あごや舌、くちびるを上手に使う練習にもなります。こうした口まわりの動きは、食べることだけでなく、ことばの発達にも関わる大切な機能です。

子どもが噛まずに飲み込んでしまうのはなぜ?

「ちゃんと噛まないのは、本人のクセだから」と思われることもありますが、実際にはいくつかの理由が重なっていることが少なくありません。

たとえば、食べ物がやわらかすぎると、あまり噛まなくても飲み込めてしまいます。反対に、かたすぎたり大きすぎたりすると、うまく噛めずに丸飲みになってしまうこともあります。

また、一口の量が多いと、口の中で食べ物を上手に動かしにくくなり、噛む回数が少なくなりがちです。食べる時の姿勢が安定していないことも、噛みにくさにつながります。足がぶらぶらしていたり、体が反っていたりすると、口やあごの動きが安定しにくくなるためです。

ほかにも、むし歯があって噛むと痛い、歯並びやかみ合わせに気になる点がある、鼻づまりで口呼吸になっているなど、口の中や体の状態が関係していることもあります。

まずは家庭でできる工夫から

子どもが噛まずに飲み込んでしまう時、「ちゃんと噛んで!」と何度も注意したくなるかもしれません。ですが、言葉で繰り返し注意するよりも、噛みやすい環境を整えることの方が効果的なことは少なくありません。

○一口の量を少なめにする
一度にたくさん口に入ると、子どもは噛むより先に飲み込んでしまいやすくなります。おにぎりやパンは少し小さめにする、スプーンにのせる量を少なくするなど、一口量を調整してみましょう。
○食べ物のかたさ・大きさを見直す
やわらかすぎる物ばかりだと噛む練習になりにくく、反対にかたすぎると嫌がったり、丸飲みしたりしやすくなります。
「少し噛めばつぶせる」「前歯でかじり取りやすい」くらいの食感から始めて、慣れてきたら少しずつ段階を上げていくのがおすすめです。
○飲み物で流し込むクセを減らす
食べ物を口に入れてすぐにお茶や水で流し込むクセがあると、噛む回数が減りやすくなります。食事中の水分を無理に制限する必要はありませんが、「まずはモグモグしてから飲もうね」とやさしく声をかけるとよいでしょう。
○姿勢を整える
食べる時の姿勢も大切です。椅子に深く座り、足の裏が床や足台につくようにすると、体が安定しやすくなります。体が安定すると、あごや口まわりも動かしやすくなり、噛む動きにつながりやすくなります。
○大人が見本を見せる
子どもは、大人の食べ方をよく見ています。「モグモグしてからゴックンだよ」と短く伝えながら、大人が実際にゆっくり噛んで見せるのも良い方法です。上手にできた時は、「今、しっかりモグモグできたね」とできたことを言葉にしてほめると、子どもも前向きになりやすくなります。

無理に『噛ませよう』としすぎないことも大切

噛まずに飲み込む様子が続くと、つい焦ってしまうものです。ただ、食事のたびに強く注意されたり叱られたりすると、子どもにとって食事の時間そのものがストレスになってしまうことがあります。

食べる力は、練習と経験の中で少しずつ育っていきます。すぐに大きく変わらなくても、「一口量を減らす」「姿勢を整える」「食べ物を見直す」といった工夫を続けていくことが大切です。

こんな時は受診を考えましょう

家庭で工夫しても改善しない時や、次のような様子がある時は、小児科や小児歯科などへの相談を考えましょう。

・食事のたびにむせる、咳き込む
・飲み込む時に苦しそうに見える
・えづくことが多い
・口の中に食べ物をためこんでしまう
・食べるのにとても時間がかかる
・体重が増えにくい
・偏食が強く、食べられるものが極端に少ない
・むし歯、歯並び、かみ合わせが気になる
・片側ばかりで噛んでいる
・口がいつも開いている、鼻づまりが続いている

このような場合は、単なる食べ方のクセだけではなく、飲み込みの機能や、口の中の状態、姿勢、発達の特性などが関係している可能性があります。必要に応じて、摂食・嚥下(食べたり飲み込んだりする働き)の評価が行われることもあります。

まとめ

子どもがあまり噛まずに飲み込んでしまう時は、「しつけの問題」と決めつける必要はありません。食べ物のかたさや大きさ、一口量、姿勢、口の中の状態など、いくつかの要因が関係していることが多いからです。

まずは家庭で、食べやすい大きさにする、姿勢を整える、流し込みを減らす、大人が見本を見せる、といった工夫から始めてみましょう。

それでも心配が続く場合や、むせ・体重増加不良などの気になるサインがある場合は、早めに小児科や小児歯科に相談することが大切です。毎日の食事が、親子にとって少しでも安心できる時間になるよう、無理のない範囲で見直していけるとよいですね。

参考文献・出典

・日本小児歯科学会「口腔機能発達不全の治療に関する重要なお知らせ」
・ASHA(American Speech-Language-Hearing Association)「Pediatric Feeding and Swallowing」
・NHS「Preparing food safely for babies」「Dysphagia (swallowing problems)」
・Kent Community Health NHS Foundation Trust「Developing chewing」
・農林水産省「ゆっくりよく噛んで食べていますか?」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「速食いと肥満の関係」
・Kosaka T, et al. 小児における食行動と肥満の関連に関する報告

本記事の作成にあたり、校閲に生成AIを使用しております。

金沢駅前内科・糖尿病クリニック

執筆者

プロフィールイメージ
小倉慶雄

小倉慶雄

金沢駅前内科・糖尿病クリニック院長。
金沢駅から徒歩3分の金沢駅前内科・糖尿病クリニックで、「糖尿病」「肥満」「甲状腺」の専門的な治療を提供。患者の生活スタイル・習慣と病状に合わせた最適な治療を得意としている。

[経歴/保有資格]
所属学会
日本内科学会 認定医
日本糖尿病学会 専門医
日本抗加齢医学会 専門医
日本腎臓学会
日本内分泌学会

[経歴]
平成21年3月 金沢医科大学医学部医学科卒業
平成21年4月 杏林大学病院 初期臨床研修医
平成26年1月 金沢医科大学病院 糖尿病・内分泌内科学教室
平成30年4月 金沢医科大学病院 助教
平成30年9月 金沢医科大学大学院医学研究科 博士課程修了
令和3年1月 金沢医科大学病院学内講師
令和5年6月 Gran Clinic(石川県金沢市)院長
令和6年10月 金沢駅前内科・糖尿病クリニック(石川県金沢市)院長
※自由診療部門は自由診療部門Granとして併設

[受賞歴]
日本抗加齢医学会研究奨励賞(2018年度)

金沢駅前内科・糖尿病クリニック

配信元: ママ広場

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ママ広場

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