"シングルマザー"として、助け合ってきた、親友のサユミと玲奈。しかし、サユミに恋人・恭司ができると、2人の関係に暗雲がただよい始める。あせりと嫉妬心を募らせた玲奈は、対抗するようにアプリで出会った男と同棲を強行し…。
かつては「最強のチーム」だった親友…
「サユミ、今夜、シンくんとリンちゃんとお泊まりにこない?」
スマホに届いた玲奈からのLINEに、私は、一瞬、指を止めました。
私はサユミ(32歳)。5歳の息子・シンと、3歳の娘・リンを育てる、「シングルマザー」でした。
そして、玲奈(32歳)は、独身時代からの親友で、今は4歳の涼香ちゃんと、1歳の総司くんを育てる、「シングルマザー」。
かつての私たちは、週末になれば、どちらかの家にお泊まりに行き、子どもたちを一緒にお風呂に入れ、まるで、一つの家族のように過ごしていました。
「私たち、最強のチームだよね」
それが、私たちの合言葉で、その絆は確固たるものだと、おたがいに信じて、うがたうことはありませんでした。
再婚を見据えた相手と出会い、関係が変わり始める
ですが、そんな関係に、少しずつ「ズレ」が生じ始めたのは、私が今の夫・恭司さんと出会ってからでした。
「いいなぁ、私も彼氏ほしいなぁ…」
ある日、久々に会った玲奈は、開口一番そう言いました。
「彼氏できるとたのしそうだよね」
「うーん、そうだね。でも、時間のやりくりは大変になったかも。恭司さんとの時間も大切にしたいし、子どもたちも彼になついてるから、皆での時間も作りたいし……」
「ふーん…マッチングアプリでもやってみようかなぁ」
彼女は、私の環境の変化にさびしさを感じたのかもしれません。
玲奈と会う時間は、たしかに前よりはへりました。でも、それで関係がくずれることはないと思っていました。
でも、そう思っていたのは、私だけだったのかもしれません…。
彼女のひとみの奥に、あせりと…嫉妬心が混じったような色を、見やぶることができませんでした。

