SBIホールディングスのネックは後継者がいないこと?
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのSBIホールディングスですが、果たして将来性はどうなのかと考えた時、いささか怖い面があるのも事実です。
それは、まだご存命中なのに、このようなことを申し上げるのは失礼かもしれませんが、現在、同ホールディングスの代表取締役会長兼社長を務めている北尾吉孝氏が引退した時、このグループはどうなってしまうのだろうということです。
これは前章で触れた話ですが、SBIホールディングスは第4のメガバンク構想や新生銀行の買収、3000億円ものSBI新生銀行の公的資金返済など資金はいくらあっても足りない状態でした。
そこで2022年6月に、三井住友フィナンシャルグループはSBIホールディングスに出資し、包括的資本業務提携を結ぶと発表しました。
つまり、資金繰りに困ったと思われるSBIホールディングスが、三井住友フィナンシャルグループから出資を仰いだことになりますが、果たしてこの話に乗るべきか否かで、三井住友フィナンシャルグループでは議論が紛糾したそうです。
「もしもこの話に乗ったら、三井住友フィナンシャルグループが北尾氏に食われてしまう」というのが本音だったのでしょう。
最終的に包括的資本業務提携を決断したのは、太田純前三井住友フィナンシャルグループ代表執行役社長でした。
「SBIホールディングスには北尾氏に匹敵するだけの人材がいない。だから、このディールは私たちの勝ちだ」ということで出資を決断したと言われています。

当時、太田前社長は64歳、対して北尾吉孝会長兼社長が71歳でしたから、年齢的に考えれば、先に第一線を退くのは北尾氏です。そういう読みも、おそらく出資を決断した背景にはあったのだろうと推察します。
しかし、そう読んで判断を下した太田前社長が、病によって先に鬼籍に入ることになろうとは、この時点では全く想定されていませんでした。
こうした経緯を鑑みると、SBIホールディングスの後継者が北尾氏と同等の経営手腕を発揮できるのかという懸念は、根強く残ります。
野村證券で培われた北尾氏の圧倒的な手腕と実績が、現在の一大グループ形成の原動力であることは論を俟ちません。
北尾氏の跡を継ぐ人物に、同氏を凌ぐほどのプロフェッショナルとしての知見が備わっているかどうか。この一点こそが、SBIホールディングスの持続的な成長を左右する、最大の鍵と言えます。

