生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ
“マダム・バタフライ”の美の創作に迫る回顧展
“マダム・バタフライ”の愛称で親しまれた森英恵は、アジア人として初めてパリ・オートクチュール組合の正会員に認められたことでも知られ、その名は国際的な舞台で確かな存在感を示してきました。
ブランドを象徴するモチーフである蝶のデザインは、優雅でありながら力強さも感じさせ、国や時代を越えて多くの人々を魅了しています。
本展では森のオートクチュール(高級仕立て服)のドレスを中心に、資料や初公開作品を含む約400点が一挙に公開されます。デザイナーとしての表現だけでなく、その生き方や創作の背景についても幅広く紹介する内容です。
鮮やかな日本の布地に込められた思い
右近テキスタイル デザインハウス テキスタイル「晩夏に咲く」 四季ファブリックハウス 1972年 森英恵事務所
森英恵の作品を語るうえで欠かせないのが、日本の布地へのこだわりです。森は海外へ活動の場を広げた1960年代、外国で日本製品が低く評価されている現状や、日本人女性は不憫だというイメージを目の当たりにします。
「日本の美しさを正しく伝えたい」という意志を持った森は、上質な絹や色鮮やかなオリジナル布地を用いた作品を発表し、さらなる注目を集めました。
本展では、実際に使用された衣装の布地に加え、制作過程をのぞかせる原画や試し刷りも紹介されます。完成されたドレスだけでなく、その土台となる布地に目を向けることで、森の表現をより深く感じられるでしょう。
