若冲の「月下白梅図」にインスパイアされたドレス
森英恵《イヴニングアンサンブル》1968年 ハナヱ・モリ メトロポリタン美術館、ニューヨーク 1975年森英恵氏寄贈(1975. 86. 1a-c)©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY
森英恵《イヴニングアンサンブル》1974年 ハナヱ・モリ メトロポリタン美術館、ニューヨーク 1996年メアリー・グリッグス・バーク氏寄贈(1996. 130. 6a,b)©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY
メトロポリタン美術館に収蔵された作品が、日本初公開される点も本展の大きな見どころです。
日本美術のコレクターとして知られるメアリー・グリッグス・バークの依頼によって制作されたドレス。江戸時代の画家・伊藤若冲による『月下白梅図』から着想を得ており、月明かりのもとに咲く梅の静かな美しさが、デザインに活かされています。
異なる時代や文化を横断しながら生まれたその表現は、単なるデザインの枠にとどまらず、アートとしての魅力も感じさせます。
本展は森のニューヨークやパリでの活動にも光を当てており、どのようにして世界の舞台へと歩みを進めていったのか、具体的にたどることができる構成です。
今も生き続ける「美しさ」に触れよう
「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」展示風景 島根県立石見美術館 撮影:小川真輝
森英恵が制作したドレスの美しさに惹かれる人はもちろんですが、それだけで終わらないのが「ヴァイタル・タイプ」の面白さです。布や図案、ドレス一着が生まれるまでの背景に目を向けることで、ファッションによる表現を体感できます。
また、日本ならではの美意識がどのようにして世界へと届いていったのか、その過程に興味がある人にもぜひ見てほしい内容です。
実際に森の作品と向き合うことで、写真や言葉だけでは伝わらないスケールや思いに触れられるはずです。
