私は昔から、「真面目だけが取り柄」と言われてきました。周囲の顔色をうかがいながら行動するのが当たり前で、自分の感情よりも「どう見られるか」を優先して生きてきたのです。そんな私の顔には、いつのころからか目の下のクマが濃く残るようになり、鏡を見るたびにどこか疲れた印象を感じていました。
完璧なはずの提案で突きつけられたひと言
衝撃的な言葉を受けたのは、40代前半のころでした。当時、私はある女性経営者のAさんに顧問契約の提案をする機会をいただきました。
入念に準備した資料をもとに、論理的かつ誠実に説明を重ねました。自分の中では「これ以上ない出来だ」と思えるほど、手応えも感じていたのです。しかし、説明を終えた直後、Aさんは私の目元に視線を向け、静かにこう言いました。
「あなたの提案は素晴らしいわ。でも、そんなに不幸せそうな顔をしている人に、うちの社員の幸せを任せたいとは思えないの」
自分では気付かなかった印象
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。自分では「真面目でプロフェッショナルな表情」をしているつもりだったからです。けれども、第三者の目には、私の目の下のクマや、自信のなさがにじむ表情が「不幸せそう」に映っていたのだと気付かされました。
残酷とも言えるひと言でしたが、同時に、自分でも見ないようにしてきた内面を指摘されたような感覚でもありました。
その後しばらくは気持ちの整理がつかず落ち込む日々が続きましたが、ある日、ふと鏡に映った自分の顔を見て、その言葉の意味を実感しました。思っていた以上に、自分の表情は暗く見えていたのです。

