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坂口杏里さんが釈放、ファンが「身元引受人」に…家族以外でもなれる? 弁護士が解説

坂口杏里さんが釈放、ファンが「身元引受人」に…家族以外でもなれる? 弁護士が解説

窃盗の容疑で逮捕勾留されていた元タレントの坂口杏里さんが、釈放されたことが報じられ、その身元引受人がファンの男性であったことが話題となっています。

報道によると、坂口さんは、3月17日、東京都八王子市内のコンビニで約300円のサンドイッチを万引きをしたとして窃盗の疑いで現行犯逮捕され、その後勾留されていたとされています。およそ10日間勾留された後、釈放されたとのことです。

釈放の際に身元引受人になったのが、TikTokを通じて知り合ったファン男性と報じられていることから、「家族以外でも身元引受人になれるのか」という点が注目を集めました。身元引受人には誰がなれるのか、約10日間という拘束期間は長かったのか、簡単に解説します。

●身元引受人は家族でなくてもよい

身元引受人とは、被疑者の釈放にあたって「逃亡しないよう監督します」と約束する人物のことです。家族の場合が多いですが、「家族でなければならない」という制限はありません。

確実に身元を引き受け、捜査機関などへの出頭を保証できる者がいることを示すことで、身柄を解放してもらえる可能性があります。これは親族でも知人でも同様です。

ただし、身元引受人を立てれば常に釈放される、というわけではなく、事案の内容や引受人の属性を総合的に判断した上で、裁判所が勾留の必要性を判断します。

実務上、最も説得力があるのは配偶者・親などの近親者や雇用主など、生活をしっかり監督できる人です。友人・知人でも認められることはありますが、単に知人だから、という理由では身柄解放にはなかなかつながらず、引受人自身の住所・身元が明確で、被疑者を実効的に監督できることが求められます。

●「300円の万引きで10日間」はどう考えるか

300円の万引きで10日間も身柄拘束されるのか?と疑問に思う方もいると思います。

住所不定であることは、刑事訴訟法60条の「勾留の理由」の一つです。

ただし、住所不定であれば自動的に勾留が決まるわけではありません。

勾留には「勾留の理由」(住所不定、罪証隠滅や逃亡のおそれ)が必要であるほか、「勾留の必要性」も別途判断されます。具体的には、身柄拘束によって得られる利益と被疑者が被る不利益を比較し、著しく均衡を欠く場合は必要性が否定されます。

今回の万引きは窃盗罪(刑法235条)にあたり、被害額は約300円です。初犯のようですし、起訴の見通しは低く、勾留を続けることの必要性にはたしかに疑問も残ります。

他方、逮捕時点では住所不定だったようです。身元引受人が見つかったため「勾留の必要性がなくなった」と判断され、釈放となったのだと考えられます。

勾留期間の上限は原則10日間で、やむを得ない場合はさらに最大10日間の延長も可能です(刑訴法208条)。

実務上は20日勾留されることも多いですが、今回は延長されませんでした。身元引受人が見つかったのが逮捕から9日ほど経ってからとされており、その観点では比較的迅速な釈放だったともいえます。

監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

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