私が50代のころに勤めていた会社で経験した出来事です。当時の上司は、学歴や肩書きを強く意識するタイプの人で、部下に厳しい言葉を向けることも少なくありませんでした。私もその対象になることが多く、何度か心苦しい思いをしたものです。それでも仕事は仕事と割り切り、与えられた役割に向き合ってきました。その中で起きた提案会議での出来事が、今でも強く印象に残っています。
上司から繰り返された厳しい言葉
当時の上司であるAさんは、日ごろから部下に対して厳しい評価を口にすることがありました。私に対しても「年齢の割に柔軟性がない」「昔のやり方に頼り過ぎだ」といった言葉を向けられることがあり、戸惑うことも少なくありませんでした。
ある日、大切な顧客向けの提案資料を作成することになり、私はこれまでの経験を生かしながら準備を進めました。資料の構成や説明内容を何度も見直し、顧客にとってわかりやすい形になるよう心がけたつもりでした。
しかし資料を確認したAさんは、ほとんど目を通さないまま「古臭い」「今どき通用しない」と言い、内容を一蹴しました。具体的な改善案は示されず、私は戸惑いながら資料を作り直しました。
プレゼン当日に起きた予想外の展開
プレゼン当日、会議が始まる直前、Aさんが突然「今日は私が説明する」と言いだしました。そして私が準備した資料を使いながら、自分の提案であるかのように説明を始めたのです。
ところが、顧客から質問が出ると、Aさんはうまく答えることができず、説明も次第にかみ合わなくなっていきました。会議室の空気は徐々に重くなり、私はその様子を席から見守ることしかできませんでした。

