「もやもや病」とはどんな病気?発症するとどんな症状が現れる?医師が解説!

「もやもや病」とはどんな病気?発症するとどんな症状が現れる?医師が解説!

もやもや病は、脳に血液を送るための血管が徐々に詰まることでさまざまな症状が出てくる病気です。

この病気は脳梗塞や脳出血の原因となり、場合によっては命に関わることがあるため、早期発見・早期治療が重要な鍵となるでしょう。

難病に指定されており、小児でも成人でも発症する病気です。小児と成人で発症するタイプが異なることがあり、それによりさまざまな症状を示します。

今回の記事では、もやもや病の症状や原因についてご紹介します。

※この記事はメディカルドックにて『「もやもや病」を発症すると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)

徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

もやもや病とはどんな病気?

脳血管

もやもや病とはどんな病気ですか?

もやもや病は、別名ウィリス動脈輪閉塞症とも呼ばれ、脳の動脈が徐々に閉塞する進行性の病気です。日本人に多くみられる病気とされています。脳の動脈が閉塞すると聞くと、動脈硬化を思い浮かべるかもしれませんが、この病気は小児でも発症する難病です。
発症年齢の平均をみると、5歳~10歳もしくは30歳~40歳にそれぞれ発症のピークがあります。首から脳へとつながる、内頚動脈という左右2本ある血管の終末部に狭窄や閉塞が起こり、それにより脳の血流が悪くなることがこの病気のメカニズムです。
狭窄が進行してくると、脳の血流を保つために血管がまわり道を形成します。これをもやもや血管と呼びます。

脳画像を見るとこの血管が煙のように見えるので、もやもや病と呼ばれているのです。病気の進行に伴って、さまざまな症状が出現します。成人の場合は、脳出血やくも膜下出血を発症することでこの病気が発見されることが多いです。

もやもや病にはいくつかタイプがあると聞いたのですが…

大きく分けて2種類のタイプがあります。脳血流が低下することによる症状を引き起こす「虚血型」と、脳出血を起こしてしまう「出血型」です。
小児の場合は虚血型が多く、成人では虚血型と出血型のいずれも多いです。それ以外にも、てんかん型や、まったく症状がなく偶然発見される無症候型と呼ばれるタイプがあります。

もやもや病にみられる症状を教えてください。

もやもや病のタイプにより症状が異なります。虚血型の症状は、脳が血流不足を起こすことによるもので、主に以下のような症状が起こります。

頭痛

意識障害

脱力発作

片麻痺や四肢麻痺

感覚障害

てんかん

これらの症状が一時的に起こるものを、一過性虚血発作といいます。特に小児では、激しく泣いた後・過呼吸後・運動後にこの発作が起こることが多いです。また、同じ虚血でも脳梗塞を起こしてしまったことにより血流が途絶え脳が損傷された場合には、梗塞部位によりさまざまな症状が現れます。
運動麻痺・言語障害・視野障害だけではなく、血流が途絶えた範囲によっては知能が低下することもあり、後遺症となる危険性もあるのです。出血型の症状は、もやもや血管が破れて出血することによるものです。
頭痛・吐き気・めまい以外に、出血部位によりさまざまな症状が現れます。くも膜下出血症状として、激しい頭痛が突然起こり発症することもあり、命に関わることもあります。いずれの場合も速やかに医療機関を受診しましょう。

もやもや病になってしまうのは主に何が原因なのでしょうか?

もやもや病は難病に指定されており、小児の場合は明確な原因は今のところわかっていません。成人の場合、一部は動脈硬化が原因である場合があります。10%~20%に家族性の発症が認められており、遺伝的な原因も考えられています。
必ずしも遺伝によるものではなく、その他のさまざまな要因が組み合わさって発症すると考えられています。

編集部まとめ

申込書の書き方を説明
今回は、もやもや病について解説しました。この病気は、脳に血液を送る内頚動脈が徐々に狭窄・閉塞してしまう病気です。

成人だけではなく小児でも発症する可能性があり、進行すると脳梗塞や脳出血などを起こしその後の生活にも影響が出てしまうため危険です。

早期発見し治療を開始することができれば、日常生活も問題なく送ることができる可能性が高くなります。

気になる症状がある場合は、速やかに医療機関で診断を受けましょう。

参考文献

もやもや病(難病情報センター)

配信元: Medical DOC

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