米俵が空からドスン!と頭と首に落ちて来たような衝撃──。
『かげきしょうじょ‼︎』などで知られる漫画家、斉木久美子さんが4月6日、ライブ中に観客のダイブを受けて負傷したとXで明かし、注意を呼びかけた。
投稿によると、3月29日に東京・有明で開かれたフェスで、後方からダイブした男性が斉木さんを直撃した。斉木さんは病院で首の捻挫と診断され、現在も首や背中に痛みが続いているという。脳は遅れて出血する可能性もあるとして、CT検査を受ける予定としている。
斉木さんは「人は床やトランポリンではないのでダイブしたあなた本人より何倍もの衝撃を受けます。あなた方がトランポリンだと思っているのは人の頭や首で衝撃を受けると簡単に死にます!」と危険性をうったえている。
ライブ会場でのダイブは、観客同士の接触や転倒を招き、重大な事故につながるおそれがある。こうした行為で他人を負傷させた場合、どのような責任が問われるのか。河西邦剛弁護士に聞いた。
●「過失」ではなく傷害罪が成立する可能性
──ダイブで他人にケガをさせた場合、どのような責任が問われますか。
故意なく相手をケガさせた場合、過失傷害罪が想定されますが、今回のように人が密集する場所へダイブする行為は、理論上は傷害罪が成立する可能性があります。
傷害罪は、特定の相手を狙っていなくても成立しうる犯罪です。密集した観客に向けて飛び込めば、誰かに危害を加える認識・認容があったと評価され得ると思います。密集状況にもよりますが、「避けてくれると思った」という弁解は通りにくいでしょう。
法定刑は15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。仮にケガがなくても、暴行罪に問われる可能性があります。
民事上も不法行為として、治療費や慰謝料、休業損害、さらには後遺症損害について賠償する責任が生じる可能性があります。
●被害に遭った場合の対応は
──ダイブでケガをした場合、どのように対応すべきでしょうか。
まず、重要なのは加害者の特定です。損害賠償は原則として加害者本人に請求するため、警察を呼んで身元を確認してもらうのが確実です。
あわせて、証拠を残すことも欠かせません。加害者の謝罪の様子を録音・録画する、目撃者の証言を確保するなどが有効です。
さらに、ケガや物損の記録も重要です。診断書がすぐに取れない場合でも、ケガの状態を写真で残しておくことで、後の立証に役立ちます。

