
永作博美が主演を務める火曜ドラマ「時すでにおスシ!?」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)の第1話が4月7日に放送された。永作演じる主人公・みなとが鮨職人になれるという学校へ通うことに。その裏で抱いていた思いに視聴者から共感が寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)
■50歳の主人公が第二の人生を歩み出す姿を描く“人生応援ドラマ”
本作の主人公は、14年前に夫を亡くして以来、一人息子のためにまっすぐに生きてきた50歳の待山みなと(永作)。スーパーの正社員として働く一方、子育て卒業という大きな一区切りを迎え、ひょんなことから3カ月で鮨職人になれる“鮨アカデミー”に通うことに。さまざまな出会いによって自分のために生きる一歩を踏み出していく姿を描く。
みなとが通う鮨アカデミーの堅物講師・大江戸海弥役を松山ケンイチ。みなとの個性豊かなクラスメートとして、大手コンサルティング企業からキャリアチェンジを図る柿木胡桃役をファーストサマーウイカ、寡黙だが誰よりも鮨を学びたいという意欲にあふれる森蒼斗役を山時聡真、仕事をリタイア後に趣味として鮨を習いにやって来たダンディーで多彩な紳士・立石船男役を佐野史郎。また、みなとのかけがえのない一人息子・渚役を中沢元紀が務める。
■息子が巣立ち、みなとは鮨を学ぶことを決意
新社会人となって巣立つ息子・渚を見送ったみなと。夫を不慮の事故で亡くして以来、息子のために生きてきたみなとは、50歳にして自分の時間と向き合うことに。しかし、いざ一人になると、心にぽっかりと穴が空いたような喪失感に襲われてしまう。
そんなある日、腐れ縁の友人・磯田泉美(有働由美子)から一緒に鮨アカデミーに通わないかと誘われる。母親としてではなく、自分のためにこれからどう生きるのか悩んでいたみなとは、半ば勢いで入学を決めた。
ところが、泉美がけがで入院し、1人で入学することになってしまう。そして、不安に包まれたみなとの前にクラスの講師として現れたのは、みなとが勤めるスーパーで険しい顔つきで鮮魚を見る様子から「さかな組長」と密かに呼ばれている大江戸だった。
最初に大きな声でのあいさつを教える大江戸。「あいさつは職人として出発点に立つための出発点だと思ってください。つまり、それができない人は出発点に立つ資格もない」と厳しく言う。
■早々に退学を考えるみなとに大江戸が寄り添う
包丁研ぎ、酢飯(シャリ)作り、シャリ玉の握り方、刺身の切り方と、次々と学ぶみなとたち。入学から怒涛の1週間を終え、胡桃の声掛けでクラスメートの4人で親睦会をすることに。
あらためて3人の入学への思いを聞くみなと。立石は、学ぶことが好きで、鮨アカデミーの前にはマジック学校に通っており、マジックでも今回の鮨でも孫を喜ばせたいのだと語った。胡桃は、前職の会食で出合った鮨に感動し、将来は寿司カルチャーを世界に広げたいという目標があるという。クラスの末っ子である蒼斗は、自分を変えたいと同時に、少しでも早く手に職をつけたいと明かした。
そんな3人と違い、明確な目標がないみなとは、退学が頭をよぎった。ところが、それを思いとどまらせたのは、大江戸だった。
スーパーに買い物に来た大江戸から、「このあと少し話せますか?」と声を掛けられたみなと。大江戸は、みなとが退学を希望していると事務局に聞いたのだ。
働きながら学ぶ大変さを心配してくれた大江戸に、みなとは「息子が一人立ちしまして、その喪失感から逃れたくて。勢いで、何も考えないで来てしまったんです。そんな気持ちで来るところじゃないと思いました」と打ち明ける。
さらに「母親であることが私の生きがいだったんです。だから、急に自分のために生きろって言われても、分かんなくて。そもそもそういう生活がしっくりこないし。私は今、誰かのために生きてるわけでもなければ、自分のために生きてるわけでもない。自分の人生、迷子になってまして」と語る。
すると大江戸は「待山さんのすべてを理解するのは、今の私にはできません。しかし、私から言えることが一つだけあります。待山さんの手です」と言う。授業をとおして「何千、何万回と相手を心から思って料理を作ってきた、そんな手に見えました」と思っていたのだ。
「煮詰まったときは糖分を」とスーパーで買ったチョコレートを差し出した大江戸は、さらに続けた。「その手で続けていれば、いつか自分のために始めたことが、誰かのためにつながることがあるかもしれません。待山さん、今辞めるのは時期尚早なのではないですか?あなたには素質が…」と言ったところで振り向くと、みなとが泣いていて驚く。
練習用に作られたティッシュ製のシャリ玉をほどいて、鼻をかんだみなと。思わず笑ってしまった大江戸は、すぐに表情を戻して「月曜日もお待ちしています」と去っていった。
月曜日の朝、みなとはシャリ玉を自分で作り直し、大江戸が褒めてくれた手で、再び鮨を握ることを学ぶ決意をした。SNSには、みなとの“空の巣症候群”といわれる状況に「分かりみすぎて」「沁みる」と共感の声が相次いだ。
14年ぶりに民放連続ドラマ主演を果たす永作。第二の人生に向かう、新たなヒロイン像に期待が高まる始まりとなった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

