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投資信託とは何か? 仕組み・リスク・資産運用会社の全体像|鈴木雅光

投資信託とは何か? 仕組み・リスク・資産運用会社の全体像|鈴木雅光

銀行の本店はなぜ、あれほど仰々しいのか。なぜ銀行は儲かるのか。証券会社や保険会社は、本当に顧客本位で動いているのか――。私たちの生活に深く関わる金融の世界には、知っているようで知らない“仕組み”と“裏側”があります。

そんな金融業界のリアルを解き明かすのが、金融ジャーナリスト・鈴木雅光さんの著書『銀行の本店はなぜ仰々しいのか? 金融業界の謎』。本書では、銀行・証券・保険といった身近な金融機関の構造や慣習、そして不祥事が繰り返される背景まで、豊富な知見と取材をもとにわかりやすく解説しています。本記事では、その一部をご紹介します。

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そもそも「投資信託」ってなに?

「資産運用会社」というと、かなり大雑把なくくりになってしまいますが、誰の資産を運用するのかによって、いくつかのカテゴリーが存在します。

日本の場合だと、個人を対象にして資金運用を行う「投資信託」と、年金基金など機関投資家の資金運用を受託する「投資顧問」とに大別され、投資顧問のなかには、運用アドバイスのみを行う「投資助言・代理業」と、お客さんから資金を預かり、自分たちの判断で運用を行う「投資運用業」があります。

投資信託と投資顧問の違いですが、投資信託は不特定多数の人たちを対象にしたファンドを組成し、そこにお金を集めて運用します。対して投資顧問の場合は、運用会社とお客さんが一対一で契約を結び、特定のお客さんのために運用サービスを提供します。

したがって、投資顧問から投資運用業のサービスを受けるためには、運用資産の額も億単位でなければなりません。この点、投資信託は不特定多数のお客さんから集めたお金でファンドを組成し、それを運用するため、お客さん一人一人が拠出する金額は、少額で済みます。実際、今ではインターネット証券会社で積立投資する場合の最低購入金額は、1000円というところが大半を占めています。

極端な話、毎月1000円ずつ積み立てるだけで、専門家による資産運用サービスを受けることができるのです。これが投資信託の最大のメリットといってもよいでしょう。

投資信託は「資産運用会社」「信託銀行」「販売金融機関」の三者間で回る

改めて投資信託の仕組みを説明したいと思います。

投資信託は、それぞれ異なる役割を担う「資産運用会社」「信託銀行」「販売金融機関」の三者によって構成されます。

資産運用会社は、ファンドを企画・組成して、不特定多数のお客さんから集まった資金の運用指図を行います。野村アセットマネジメント、三菱UFJアセットマネジメント、フィデリティ投信など、日本国内だけで79もの資産運用会社があります。

次に信託銀行。投資信託の仕組みにおいては「受託銀行」という言い方をすることもあるのですが、信託銀行はファンドの組入資産の管理に加え、資産運用会社からの指示を受けて、ファンドの組入資産の売買注文を執行する役割を担っています。

3番目が販売金融機関です。販売金融機関は証券会社や銀行がメインです。ファンドの販売窓口になる他、購入代金や解約金、償還金、分配金など、お客さんとの間で行われる金銭の授受を代行します。

お金の流れで言うと、お客さんがファンドを購入した代金は、販売金融機関を通じて信託銀行に送金され、そこで管理されます。その管理されたお金の運用指図を、資産運用会社が行うという形です。

2025年7月末現在、日本国内で設定・運用されている投資信託の本数は5796本。運用資産の総額は261兆343億4600万円です。

一時期はバブル崩壊の影響を受け、投資信託の運用成績が大幅に悪化しました。特に不振だったのは、日本全体が金融不安に覆われた2003年で、同年4月の純資産総額は34兆3732億200万円でした。

この22年間で、投資信託の運用資産の規模は7・6倍にまで成長したことになります。そこを見れば、日本における資産運用ビジネスは、日本の金融業界において数少ない成長分野と考えられなくもありません。だから、この261兆円を狙って、79もの資産運用会社がひしめき合っているのです。

これは、バブルピークの頃の話ですが、日本における資産運用会社、特に個人を対象にした投資信託を設定・運用していた資産運用会社の数は、10社を少し上回る程度でした。バブル崩壊後、日本経済は「失われた30年」を経験したわけですが、この間に資産運用会社の数は8倍近くに増えていたのです。

配信元: 幻冬舎plus

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