
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『ティラノ部長』(原作・鈴木おさむ/コルク刊)第11話を紹介する。漫画担当のしたら領さんが、3月2日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、『池田くんは殴りたい』(コルク刊)の作者としても知られる、したら領さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■1人焼肉を楽しむ部長

ある日、1人焼肉を楽しんでいたティラノ部長。そんなとき店内に部下たちの姿を見かける。部下たちから「部長も一緒に食べませんか?」と声をかけられるのを期待してしまう。さらにそこに、絶賛社内不倫中の上司(ステゴ専務)と部下(花田さん)がやってくる。
部下たちがいることを知らずに来たであろう2人の登場に慌てたティラノ部長。しかし、部下から声をかけられた専務は「君たちがいると思って来ちゃいました〜!」と言って…。
このエピソードを読んだ人たちからは、「気持ちわかる」「専務の切り返しが有能」「1人焼肉で堂々とできる方が優秀」「部長気にしすぎだよ」など、多くのコメントが寄せられている。
■作者・したら領さん「キャラデザや表情、姿勢に注目してもらえたら嬉しいです」

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
ティラノ部長は〈原作:鈴木おさむさん〉なので、詳細は鈴木おさむさんのみぞ知る、というところではありますが。しかしとは言え、私もキャラデザが決まっていない段階から会議に参加しておりまして。毎話のやりとりの中でこぼれ落ちるおさむさんの部長への想いを、勝手に汲みとって話しますと。
・お子さんと触れ合う中で、恐竜の人気の高さに驚いた
・ティラノサウルスが過去に滅んだ王者であり、それが現代のある種の40〜50代管理職の立場と、面白いほど重なる優れたメタファーであったこと
などなどが、発想の源であり決め手だったのではないかと。側から見ていた身としては感じました。
――本作では、ステゴ専務の立ち回りが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
ステゴ専務という嫌われ役のおかげで、物語に起伏が出ていて素晴らしい配役ですよね。着目ポイントはたくさんありますが。漫画家としてはキャラデザや表情、姿勢に注目してもらえたら嬉しいです。ステゴ専務というキャラクターの性格が絵から滲み出るように描いたつもりなので、その辺りが伝わっていたら本望です。
――『ティラノ部長』は76話で完結し、番外編が2話ありますが、特に気に入っているエピソードがあれば、理由と共にお教えください。
好きな話がたくさんあって難しいですね……あえて選ぶなら、49話のタスケ(愛犬)と再会する回でしょうか。ネタバレしないように話しますと。
タスケは犬なので言葉を話せません。なので感情を体全体の演技で表現しました。四足歩行の生き物をキャラとして演技させるのは、また人間とは違った難しさがあったのでそこがこだわりポイントです。
――『ティラノ部長』を読むと、とても優しい気持ちになれるような気がします。ティラノ部長のキャラクター像や性格などプロフィールについてお教えください。
ティラノ部長は不器用で純粋で、心配になるくらい優しい人です。悲しいことに、純粋な男よりちょっと悪い男がモテたりするのが世の常ではありますが。それを体現しているのが、序盤のティラノ部長とステゴ専務の関係性だったりします。
そしてティラノ部長は、恋人よりも夫しての適性が高いキャラなのかもしれません。過去に元妻とは色々ありましたが。今の部長はそれを糧にして成長しています。なのでそう言ったこれまでの人生の傷が、作品に優しい雰囲気を与えてくれています。
他のキャラクターに関しましては、全員書くとここに収まり切らないほど、愛で溢れてしまいますので、ぜひ本編を追いかけて確かめてみてください。
――今後挑戦してみたいジャンルやテーマがありましたらお教えください。
すでにティラノ部長のあとに何作か描いておりますが。完全新作で、ということでしたら次回作はもう少しエンタメを描いてみたいです。王道のファンタジーだったりSFだったり。エンタメの構造を用いながら、そこにちゃんと世界があって、人が暮らしているような物語を目指せたらなと考えています。ユーモアと可愛いさで包みながら。
実際いま小品になるような、魔王を倒してしまった後の悩める勇者が主人公の話を企画しています。もし見かけたらチラッと読んでもらえたら幸いです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつもありがとうございます!面白いマンガ描いてお返します!

