
俳優の杏が、4月12日に都内で「パリのエッセイ同時敢行記念!トーク&フォトセッション」を開催。エッセーを書く時のこだわりと思いを明かす場面があった。
■9年ぶりとなるエッセーを2冊同時発売
3月18日に発売した9年ぶりのエッセーは、パリ暮らしのきっかけとなった旅のエッセー「杏のとことこパリ子連れ旅」(ポプラ社)と、フランスと日本の二拠点生活をつづったエッセー「杏のパリ細うで繁盛記」(新潮社)の2作品。「杏のとことこパリ子連れ旅」では、双子3歳、長男1歳の3人の子供を連れた旅の楽しさと大変さをビビットに描いており、「杏のパリ細うで繁盛記」では、ドタバタながらいとおしい暮らしと、この先かなえたいことなどをつづっている。
2冊同時の刊行について、杏は「ボリュームもありましたし、当時の日記を読み返しながら作っていきました」と振り返り、「パリに来る前に、私の飼っていた柴犬が突然病で亡くなってしまって、その時に突き動かされるように書いた文章があって、『これはお世話になった人たちにも見ていただきたいな』ということで小さな冊子にして、お菓子を添えて周りの人たちにお渡ししていたんです。そんな中で、編集の方が読んでくださって、新潮社の雑誌に載せていただくような形になりました。そのすぐ後に『パリに行きます』ということで、『そのことも雑誌で書いてみませんか?』とご提案いただいて、どんどん書いていったという感じです」と刊行のきっかけを明かした。
また、それぞれの内容について「『杏のとことこパリ子連れ旅』は旅の日記を中心に書いて、それからガイドブック的な要素も少し盛り込まれていて、地図だったり、行ったスポットの説明だったり、『こんな物を食べておいしかったよ』『こんな旅の仕方をして楽しかったよ』『こんな物を持って行きましたよ』というような情報も入っていまして、これからパリに行ってみたいと思われている方もお楽しみいただけるのかなと思っています。『杏のパリ細うで繁盛記』は暮らしぶりを書いていて、お仕事のこと、フィンランドに3カ月間暮らしたこと、アメリカのアカデミー賞に行ってみたこと、愛犬4匹との出合いと別れなどを書いております」と説明。
■エッセーを書く時のこだわりは「その時のありのままの気持ちを書く」
ほか、エッセーを書く時間について「書く時間って、何かの合間とかにはなかなかできなかったり、本当に一人きりの時間にならないと書けないので、だいたい子供たちが寝た後の夜遅くに書いていることが多いです」と告白し、「自分の机があるはずなのですが、なぜか台所で書くことが多かったですね(笑)」と打ち明けて笑いを誘った。
加えて、エッセーを書く上で大事にしたことについて「『その時のありのままの気持ちを書く』ということで、当時の日記を振り返りながら書いたことと、『何を皆さまに伝えたいか』と思った時に、『私のこの行動が正解だから、みんなもまねしてほしい』という意識で書いていないので、見本のような形というより、あくまで体験記として、にぎやかで豪華で華やかなものではない、一人の人間の“はちゃめちゃに頑張りながら、きれいじゃないところ”とかもあえてありのままに書くようにしました」と語った。
そんな中、「今後もエッセーを書き続けるか」との質問が寄せられると、「物を書いて、それを他人に見ていただけるというのは、本当にこの上なく光栄な機会だなと思っています。普段は役を頂いて、その役に自分をフィットさせていって発表するというのが女優の仕事では多いのですが、エッセーに関しては、自分の中のものをそのまま出した“そのままの自分”で、実は何よりも恥ずかしいことでもあるんです。こんなに“自分”というものを前面に押し出すことって、他の仕事ではないことだと思いますので、それを形に残せる、見ていただけるというのはうれしいので、またもし読んでいただける機会があれば、ぜひ書きたいと思います」と回答した。
◆取材・文=原田健

