桜の野生種「エドヒガン」の群生地(兵庫県川西市)で、89歳男性が4月5日、40代女性の右腕に噛みついたとして、暴行の疑いで兵庫県警に現行犯逮捕されました。
神戸新聞NEXT(4月6日)によると、川西署員がパトカーに男性を連行し、後部座席に乗せたところ、意識をもうろうとしていたため消防に通報しました。
手錠を外された状態で病院に搬送され、その後死亡が確認されたという、異例の経過をたどったようです。
警察は司法解剖を実施して死因を特定するとともに、被疑者死亡のまま書類送検する方針とされています。
このニュースが報じられると、SNS上では「噛みつき」という特異な行為からゾンビ映画のワンシーンを連想する声や、急死に対する驚きの声が上がりました。
一方で、一見すると被害者である女性側についても、トラブルの経緯や男性の死亡について、警察から厳しい取り調べを受けるのではないかと推測する意見も見られます。
女性はどのような扱いを受けるのでしょうか。刑事事件にくわしい泉田健司弁護士に聞きました。
●警察は任意の聞き取りをする程度と考えられる
──被害女性は警察の取り調べを受けるのでしょうか。
女性に対しては、事情聴取として任意の聞き取りがおこなわれる程度でしょう。
司法解剖の結果、致死性の毒物が検出された、といった探偵アニメのような非現実的な展開があれば話は別でしょうけれど。
──女性が男性を死なせた「加害者」として疑われる可能性はあるのでしょうか。
報道内容を前提とすれば、女性には嫌疑すらないというべきではないでしょうか。
司法解剖の結果や女性に対する事情聴取、目撃証言などから、仮に女性になんらかの加害の事実が浮上した場合、初めて嫌疑が生じ、加害者として扱われることになります。
●捜査機関は女性の精神的ケアにも留意すべき
──今回のケースのポイントはどこでしょうか。
むしろ逮捕から警察署への移送に至る過程において、警察官の対応に不適切な点がなかったか、というのが焦点になると思います。
被害女性は「噛みつかれた恐怖」に加え、「相手が死亡した」という事実によって、精神的なショックを受けているはずです。警察には、こうした心理状態にも配慮が求められます。
【取材協力弁護士】
泉田 健司(いずた・けんじ)弁護士
大阪弁護士会所属。大阪府堺市で事務所を構える。交通事故、離婚、相続等を中心に地域一番の正統派事務所を目指す。
事務所名:泉田法律事務所
事務所URL:https://izuta-law.com/

