●「原因は人間のエゴ」…環境破壊への警鐘と共存への模索
一方で、駆除一辺倒の考え方に疑問を呈し、問題の根本は人間側にあると指摘する声も少なくありませんでした。
「熊の生活圏を人間の都合で壊している事が原因なので、街に降りて来た熊を狩るよりも熊が街に降りなくても安心して食べられる餌場や住処を森に確保してあげることだと思います」(沖縄県・40代女性)
メガソーラー建設などによる森林伐採が、熊の住処や食料を奪っていると考える人もいるようです。
「空き家がたくさんあるのに、家を作り続けないと経済が回らない日本。そのしわ寄せが熊だけではなく、自然や野生動物も壊しています。根本からみんなが考えないと崩壊します」(埼玉県・40代女性)
「熊は人間が何もしなければ襲うことはありません。熊に襲われるのは人間のエゴが招いたことで自業自得です」(福岡県・60代男性)といった声のように、人為的な自然破壊に危機感を強めている人もいました。
さらに、熊被害を解決するアイデアとして、
「山にどんぐり、実のなる木、サツマイモなど、手を入れなくても育つものを植える」(50代女性)
「食品ロス対策で山奥にドローンで廃棄食品をお届けできないのか」(神奈川県・50代女性)
といった具体的なアイデアも寄せられています。
寄せられた意見の中には「人と害獣の共生など夢に過ぎない」という意見がある一方で、「元々は野生動物が生息しているエリアに人間が勝手に入っていったのだから、危害があっても仕方ない」と達観する声もありました。
地域で安心して暮らすためには、駆除か共存かという二者択一ではなく、熊との関わり方を社会全体で真剣に考える必要がありそうです。

