●突然、圧をかけてくる「キダ刑事」
そうなると、気になるのが"キダ刑事"の狙いです。大事なことを聞くのを忘れていました。
「あ、何の事件でしょうか?」
「何の事件って、岩手の事件と聞いて、心当たりは何もないですかね?」
それまでの丁寧な口調から一転、待っていたと言わんばかりに、突然強気に出てくる"キダ刑事"。あとで「流れ的に所轄ではなく、先にこちらを聞くべきでしたね」と反省しました。
「私のほうが聞いているのですが?」
こちらも負けじと応じます。"キダ刑事"もたたみかけます。
「お名前が挙がっていると報告を受けているので、こちらも連絡をしています」
何の事件かわからないが、私の名前が挙げられている。はっきりとは言わないが、どうも事件の被害者ではなく、容疑者として疑われていることを"キダ刑事"はにおわせてきました。

●「令状はありますか?」と聞いてみたら…
しかし、事実確認をしたいのは、こちらです。さらに尋ねました。
「あの、何か、令状は出てるのでしょうか?」
捜査機関からの「出頭要請」は原則「任意」です。しかし、「逮捕状」など裁判所が発した「令状」がある場合、話は違ってきます。一市民として捜査に協力しなければなりません。
真摯な思いから出た質問に対し、"キダ刑事"はさらに圧をかけてきました。
「もちろん、協力いただけないのであれば、令状を行使すると聞いています」
つまり、現時点でまだ令状が出ていない。ほっとした私は思わず言ってしまいました。
「じゃあ、令状が出たら教えてください!」
──ブツッ!!!

