県内病院の8割が赤字 – 神奈川県医師会長が語る「地域医療を守る最後の砦」

県内病院の8割が赤字 – 神奈川県医師会長が語る「地域医療を守る最後の砦」

一枚岩となって進む決意

鈴木会長は、今後の医師会運営について「一枚岩」というキーワードを掲げています。

「医師会は楽しく、そして常に県民と会員のことを考えなければいけない。誰が偉いとか偉くないとかじゃなくて、一つの塊として、一枚岩として進んでいかなければいけない」

働き方改革による救急体制への影響についても言及しました。
「働き方改革で時間外労働に制限ができて、今は宿日直許可(通常業務とは異なる軽い業務として扱う許可)で乗り切っているけど、実際はそうじゃないという現実が出てくると思います。もう一度、本当の働き方改革をやらないと、いい人材がいなくなってしまいます」

最後に、鈴木会長は医療人材確保の重要性を強調しました。
「18歳人口が半分になる時代が来ます。子どもたちに医療の魅力を伝え、『お医者さんになりたい』『看護師さんになりたい』と言ってくれる子たちが増えれば、医療人材がいれば医療は守れると思うのです」

地域医療の危機に直面する神奈川県。大学の医局の枠を超えて全医師を結集させ、DXの活用で「余裕のある医療」への転換を目指す鈴木会長の挑戦は始まったばかりです。

編集部まとめ

病院の多くが赤字に直面する神奈川の医療現場。鈴木紳一郎会長は「最後の医局」として、医師会がすべての医師をつなぎ、地域医療を守る使命を掲げています。DXや税制改革の推進、働き方改革の見直し、人材確保など課題は山積ですが、その先にあるのは“余裕ある医療”の実現です。県民の健康を守る砦としての挑戦は、いままさに始まったばかりです。

配信元: Medical DOC

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