2040年の医療を見据えて
鈴木会長は、2040年の医療について独自の展望を持っています。
「2040年になったら、もうDXなんていう言葉はなくなっているでしょう。みんな当たり前にデジタル技術を使っている。その時代には、医師1人で100人を1時間で診られるかもしれないし、遠隔地でも専門医の診察を受けられるかもしれない」
人口減少社会における医療のあり方についても言及します。
「民間病院は人口2万5000人ぐらいないと成り立たないと言われるけど、将来は違うかもしれない。3つの病院を1つにまとめて、でも経営は3つに分けておくとか、離れていてもDXで1つの拠点として機能させるとか、いろんなやり方ができると思います」
最後に、鈴木会長は医療の本質について語りました。
「手術をロボットだけでできるか、車が完全自動運転になるか、まだわからない部分もあります。でも、少なくとも人がいないとできないことは必ずある。だからこそ、人材育成が重要なのです」
「一枚岩となって、2年間の任期を全力で取り組みます。それができたかできないか、自らが評価する。そんな医師会運営をしていきたい」
編集部まとめ
子ども向けイベントや映画上映会から始まり、「かなドク」やDX推進まで、神奈川県医師会の取り組みはすべて未来の医療人材育成と持続可能な地域医療の実現に向けられています。人口減少や財政難という逆風の中でも、「最後の医局」として医師をつなぎ、県民に医療の本質を伝え続ける鈴木会長の姿勢は、2040年を見据えた地域医療の新たな道筋を示しています。神奈川県医師会の挑戦は、2040年の医療を見据えた壮大な構想の第一歩でした。

