
犬や猫の換毛と脱毛の違いとは?(画像はイメージ)
【豆知識】「えっ…」 これが、犬猫の換毛期の抜け毛&皮膚炎による脱毛を見分ける方法です!
犬や猫の場合、春に冬毛から夏毛に入れ替わるために「換毛期」という毛が抜ける生理現象が起こります。毛が抜けるという現象自体は珍しいことではありませんが、中には病気や皮膚の炎症などが原因で抜け毛が生じることがあります。
では、生理現象としての換毛と病気が原因の脱毛は、どのような違いがあるのでしょうか。病気の脱毛の見分け方や適切なケア方法などについて、獣医師の椿直哉さんに聞きました。
地肌の露出は脱毛の疑い
Q.犬や猫の換毛期の抜け毛と、アレルギーや皮膚炎による脱毛について、飼い主が自宅で見分けるための決定的なチェックポイントを教えてください。
椿さん「換毛期でも病気による抜け毛でも、“毛が抜ける”という現象自体は同じです。ただ、よく観察すると違いがあります。まず換毛期の抜け毛は、古い毛から新しい毛に生え変わるための生理的な現象です。主に春と秋に起こり、全身の毛が比較的まんべんなく抜けていくのが特徴です。毛をかき分けても、地肌がはっきり見えてしまうようなことは通常ありません。
一方で、アレルギーや皮膚炎など病的な原因による脱毛では、一部分だけ毛が薄くなったり、円形に抜けたり、地肌が露出してしまったりするケースが見られます。
また、かゆみの有無は大きなチェックポイントです。アレルギー性皮膚炎では強いかゆみが出ることが多く、後ろ脚で繰り返しかいたり、なめ続けたりする行動が目立ちます。それに伴い、皮膚が赤くなったり、慢性化すると黒ずみや肥厚(皮膚が厚くなる状態)が見られることもあります。
さらに、皮膚の炎症が目立たないのに一部だけ毛が抜けている場合は、ホルモン異常やストレスなど内因的な要因が背景にある可能性もあります。
ご自宅で確認するポイントとしては、『地肌が見えていないか』『皮膚に赤みや色の変化、かゆみがないか』『一部分だけ集中的に抜けていないか』の3点です。少しでも違和感があれば、早めに動物病院で相談していただくことをお勧めします」
Q.春に増える外耳炎やアレルギーは、日々のブラッシング以外に「食事」や「掃除の頻度」など、家庭内環境で気を付けることで予防できるのでしょうか。
椿さん「外耳炎はさまざまな原因で起こりますが、その背景にアレルギーが関与しているケースは少なくありません。また、日本の高温多湿な気候も発症に影響しています。春になって気温が上がり、梅雨に向かって湿度が高くなると、細菌や酵母が増えやすい環境になります。冬は乾燥して気温も低いため、比較的症状が落ち着いている子でも、春から夏にかけて悪化するケースはよくあります。これは皮膚炎やかゆみも同様です。
家庭でできる対策ですが、アレルギーは“さまざまな要因の積み重ね”で症状が出ると考えられています。食事や花粉、ダニ、湿度などが重なって発症することが多いため、飼い主がコントロールできる要因を減らしていくことが大切です。
例えば、散歩後に体や足先についた花粉を落とすためにブラッシングや軽い拭き取りを習慣にすることは有効です。また、室内の掃除を小まめに行い、ダニやほこりをためないことも重要になります。
食事については、新しいフードやおやつを次々に試すのではなく、変更する場合は体調の変化をよく観察することが大切です。特にアレルギー体質といわれている子は、原材料を確認しながら記録をつけておくと、原因の特定に役立つことがあります」
Q.「毛が抜けるから」と過度なシャンプーをしてしまう飼い主も多いですが、春のデリケートな皮膚を守るための、正しい洗髪頻度とスキンケアの注意点を教えてください。
椿さん「これはあくまで目安になりますが、犬の場合、シャンプーは月に1~2回程度で十分なことが多いと思います。短毛種よりも長毛種の方が汚れは付着しやすいため、その点で多少頻度を調整することはありますが、洗い過ぎはおすすめできません。
洗い過ぎると、本来皮膚を守っている皮脂まで落としてしまいます。皮脂は皮膚のバリアー機能を保つ役割があるため、これが失われると乾燥が進み、かえって皮膚トラブルを招くことがあります。体が不足した油分を補おうとして過剰に分泌し、ベタつきが強くなるという悪循環に入ることもあります。
犬や猫は人間よりも皮脂分泌量が少ないため、人の感覚で“毎日洗う方が清潔”と考えるのは適切ではありません。過度な洗浄は、かえって皮膚への負担になります。
スキンケアの観点では保湿も重要です。犬用シャンプーには洗浄力が高いタイプから保湿成分が配合されたタイプまでさまざまあります。二度洗いをする場合は、最初に汚れを落とし、その後保湿性の高いシャンプーを使用するという方法も選択肢の一つです」
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人間と同じように、ペットも花粉やアレルギーなどの影響を受けるんですね。もしかゆがっていたり、局部的な脱毛などが見られたりといった違和感を覚えたら、なるべく早めに動物病院に行くようにしましょう。
