認知症と聞くと、高齢者の病気だと思っていませんか? じつは、若い世代でも発症することがあり、その背景には脳卒中や頭部外傷、新型コロナウイルスの後遺症など、様々な原因が隠れています。65歳未満で発症する「若年性認知症」は、働き盛りの人にとっても決して他人事ではありません。今回は、認知症の種類や特徴的な症状、若い世代が発症するリスク要因について、「あいあいクリニック」の塚本先生に解説していただきました。

監修医師:
塚本 善峰(あいあいクリニック)
内科医。1993年杏林大学医学部を卒業後、杏林大学医学部付属病院第一内科にて神経内科、呼吸器疾患、アレルギー性疾患、腎機能障害、膠原病を専攻し、経験を積む。2007年、さいたま市に「あいあいクリニック」を開院、院長就任。「患者様、一人ひとりの事を考え、それに合った診療と医療をお届けしたい」という診療理念のもと、生活習慣病と慢性疾患に特化したオーダーメイド医療を実践している。
編集部
「認知症」について教えてください。
塚本先生
「認知症」とは、脳に何らかの障害が起こることによって、記憶力や判断力などが低下した状態です。社会の高齢化にともなって、認知症の方は年々増加しています。
編集部
やはり、高齢者がなるものなのですか?
塚本先生
そうとは限りません。若くても、脳卒中などをきっかけに「脳血管性認知症」となってしまう方もいらっしゃいますし、交通事故などで頭部を強く打ったり、最近だと新型コロナウイルス感染症に羅患してしまったりすると、後遺症として認知症症状が出てしまう方もいます。さらに、これらのような明確な要因がなくても、若くして認知症を発症してしまうケースもあるのです。65歳未満で認知症を発症した場合、「若年性認知症」と呼ばれます。
編集部
認知症にも種類があるのですね。
塚本先生
そうですね。「若年性認知症」はあくまで年齢による分類ですが、病態としては「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」の4種類が代表的な分類です。
編集部
どのような症状が出るのですか?
塚本先生
それぞれの認知症によって、症状は少しずつ異なりますが、共通しているのはやはり「記憶障害」いわゆる「物忘れ」ですね。
※この記事はMedical DOCにて【認知症の初期症状を医師が解説 物忘れが多いのは認知症の前兆? 始まりのサインと進行段階を知っておこう】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

