
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、なまくらげさんが描く『人の怒り感情を抑えるリングが普及した話』をピックアップ。
なまくらげさんが3月23日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、なまくらげさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■怒りを抑えるリング

主人公の飯良は、“怒りは悪だ”と怒りの感情に否定的だった。
「この世から怒りという感情が無くなってほしい」
という彼女の願いは、“アンガーリング”というアイテムの登場によって叶えられるかに思われた。“アンガーリング”は、怒りが抑えられない時にスイッチを押すと、微弱な電波が脳に届き心を落ち着かせるというもの。
世に普及し、彼女の会社の怒りっぽい先輩も使用。あからさまに目の前でスイッチを押され、怒りの感情は見えなくなったものの、それはただの対症療法でしかない、と気づく。
その後当てつけのように使用する「カチハラ」が世間に増えていったことから、次第に使用する人は減っていくが…。
作品を読んだ読者からは、「怒りを抑えられても、無くなる訳では無いよなぁ・・・」「ロボトミーの再来が怖い世界観」「このリング欲しい」など、反響の声が多く寄せられている。
■作者・なまくらげさん「各テーマについて読者の方にも考えて頂ければという気持ちで描いている」

――『人の怒り感情を抑えるリングが普及した話』のストーリーの発想の源はどこだったのでしょうか?
怒り感情は邪魔なものでしかないと学生の頃に考えていた時期がありまして、その辺りの思考が元になっています。
今は作中の描写にもあるように、怒りにも有益な側面があるという認識に落ち着いてはいるのですが、やはり負の影響が大きい印象は拭えず…本作では思考実験の舞台としてそのあたりのバランスを模索し始めた社会を考えてみました。
――本作を通して伝えたいメッセージがあればお教えください。
感情はコミュニケーションツールとして大変便利なものではありますが、マイナス感情をはじめ濫用してしまうと自分も周りも不利益を被りやすくなってしまいます。
自分に嘘をついてまで無理に抑えるのはもちろんよくないですが、感情が暴れそうな時に数秒立ち止まってみようとするだけでも周りの世界は今より少し穏やかになるのではないか、というささやかな祈りが含まれています。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
主人公が「生物の本能的な部分を削るのはむずかしい」と感じる場面でしょうか。
やっかいに思える怒り感情も、長い進化の過程における選択圧を乗り越えて存在しているのには何かしらの理由があるはずです。
無理に無くすというよりは、濫用せず上手に使う道を模索するくらいがちょうど良いのかもしれないという、今の自分の考えを代弁するセリフです。
――本作には怒りを抑える「アンガーリング」というアイテムが登場しますが、もし実在する場合、なまくらげさんは使ってみたいですか?
自分は幸い前述の思想を発端として、物事に対して怒り感情を抱かないよう訓練してきたので、アンガーリングがあっても使う機会はほとんど無いなというのが正直なところです。
どちらかというと自身の感情を外から調整される感覚がどういうものかの方が気になるので、そういった理由で使ってみたくはあります。
――これまでにもさまざまな作品を描かれているなまくらげさんですが、ストーリーやキャラクターデザインなどを考えるうえで、気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
ストーリーに関しては、自身の思考の一端を形にしている以上、どうしたら一読でわかりやすく理解してもらえるかを重視して話の展開やセリフ回しなどを考えています。
逆にキャラクターデザインに関してはあまりこだわりが無い所なので、作品のテーマと矛盾しないような性格にするとか、過去のキャラクターと被らないようにすることなどを意識しています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
私の作品にお付き合い下さり、いつもありがとうございます。
各テーマについて読者の方にも考えて頂ければという気持ちで描いているので、作品に対して何かしらの感想を抱いて頂くことがあればそれだけで本望です。
これからもマイペースに色々描いていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!

