胸部X線検査を受けたい場合、いくらかかるのかご存じですか?メディカルドック監修医が保険適用、助成があるのか、検診の流れや注意点、発見できる病気・疾患についてご紹介します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
胸部X線検査(レントゲン)とは?
胸部X線検査は、胸部に背後からX線を照射して肺や心臓、血管、骨などの状態を調べる画像検査です。放射線の量はごく少なく(約0.06mSv)、数分で終わるため、健康診断から緊急時まで幅広く活用されています。
胸部X線検査は何科でできる?
胸部X線検査は、以下のような場所で受けられます。
・健康診断・人間ドック
・呼吸器内科・循環器内科
・総合内科・外科
また、緊急の場合は救急外来でも実施可能です。特に、胸の痛みや呼吸のしづらさ、息苦しさなどの症状がある場合は、まず内科を受診し、必要に応じて専門科へ紹介されます。
胸部X線検査では何が見える?
胸部レントゲンでは主に以下が確認できます。
・肺:肺炎、肺がん、気胸など
・心臓:心拡大、心不全の兆候
・血管:大動脈瘤、血管拡張
・骨:肋骨骨折、脊柱の変形、鎖骨骨折
CT検査ほどの細かさはありませんが、短時間で全体像を把握できるのが特徴です。
胸部X線検査(レントゲン)の費用はいくらぐらい?
費用は、保険適用か自費診療か、または自治体の助成制度を利用するかによって変わります。
保険適用となった場合の胸部X線検査の費用
例えば咳や息切れ、胸痛、発熱などがあり、医師が必要と判断したときに保険適用となります。3割負担の方の場合、胸部X線1枚で630円、2枚で860円程度となります。この金額に、初診料や再診料などが別途加算されます。
自費診療となった場合の胸部X線検査の費用
次のようなケースでは自費になります。
・健康診断で胸部レントゲンだけを希望する場合
・美容目的や証明書作成のための検査
費用は医療機関ごとに異なりますが、3,000円程度を見込んでおくとよいでしょう。診断書が必要な場合は、追加で料金が発生します。なお、自治体によっては肺がん検診費用を一部負担している場合があります。また、年齢によっては無料で受けられることもあります。

