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<田鎖ブラザーズ>新井順子Pが語った制作の舞台裏 結末を伝えているのは「田鎖兄弟と犯人役だけです」

<田鎖ブラザーズ>新井順子Pが語った制作の舞台裏 結末を伝えているのは「田鎖兄弟と犯人役だけです」

金曜ドラマ「田鎖ブラザーズ」(TBS系)の見どころや舞台裏を新井順子プロデューサーに直撃
金曜ドラマ「田鎖ブラザーズ」(TBS系)の見どころや舞台裏を新井順子プロデューサーに直撃 / (C)TBSスパークル/TBS

岡田将生が主演を務める金曜ドラマ「田鎖ブラザーズ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)が、いよいよ4月17日(金)よりスタートする。このほど、本作を手掛ける新井順子プロデューサーにインタビューを敢行。制作のきっかけからキャスト陣への思い、本作における挑戦や舞台裏などについて語ってもらった。

■両親殺害事件の真犯人を追うクライムサスペンス

本作は、2010年4月27日に殺人罪などの公訴時効が廃止されたにもかかわらず、わずか2日の差で両親殺害事件の時効を迎えた兄弟が、法ではもう裁けない犯人を自分たちの手で裁くべく警察官となり、事件の真相を追い続ける完全オリジナルのクライムサスペンス。

物語の主人公となるのは、事件の真相を追うため刑事となった兄・田鎖真(岡田将生)と、彼の弟で検視官となった田鎖稔(染谷将太)の“田鎖ブラザーズ”。大きな十字架を背負い警察官となった2人は、日々発生する凶悪事件と併行し、31年前の両親殺害事件の真犯人を追っていく。

互いに絶大な信頼を寄せ、リスペクトし合う岡田と染谷は、今回で6度目の共演。先に本作への出演が決まっていた岡田が自ら染谷に連絡をして熱烈オファー。染谷も岡田との共演が大きな決め手となったと語るほど、熱い絆を持つ2人が創り上げる兄弟のコンビネーションに期待が高まる。

本作を手掛けるのは、映画「ラストマイル」(2024年)やドラマ「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年)、「最愛」(2021年)などで知られ、クライムサスペンスの名手としてドラマファンから熱く支持される新井順子プロデューサー。主演の岡田とは、「ラストマイル」以来2度目のタッグとなる。
田鎖真(岡田将生)
田鎖真(岡田将生) / (C)TBSスパークル/TBS



■「『この人が犯人だった』と分かった上で見返すと、違う見え方になる」

――まずは本作を企画されたきっかけや、どのような経緯で動き出されたのか教えてください。

私自身警察ドラマが好きなので、2020年に「MIU404」という作品をやって、その後「最愛」(2021年)でも(メインキャストで)刑事がいたんですが、“ザ・刑事ドラマ”と言える作品は「MIU404」以来やれていなかったので、「もう一回できないかな」と思ったのがそもそものきっかけでした。

ただ、一口に警察ドラマと言ってもどういうものがいいかなと考えてた時に、「何か目的があって警察官になった二人」というのと、「時効」というテーマを織り込んで作ったら、現代において意味のある作品になるんじゃないかなという思いで形になっていきました。


――昨今のいわゆる“考察系”のドラマでは、視聴者の皆さんが伏線やキーワードを楽しみにしていらっしゃると思います。本作では序盤からたくさん過去のシーンが登場しますが、視聴者の皆さんにとってのヒントであったり、期待値を高めるような要素であったり、楽しみにしてほしいポイントなどはありますか。

過去のシーンはちょこちょこ出てくるのですが、「見返しても違和感がないように」といったことを意識しながら作っています。最初見た時はわからないけど、「この人が犯人だった」と分かった上で見返してみると、違う見え方になるような構成にしています。


――そのあたりは、脚本の渡辺啓さんや、演出の山本剛義さんなどとかなり意識しながら進められているのでしょうか。

そうですね。「その場が良ければいい」という感じで進めていくと、後の話になって犯人がわかった時に「え、でもあれだとおかしいよね?」となってしまうので、そういうことがなるべく無いように、(視聴者の皆さんが)2回見る前提でと話しています。

例えば過度な演出をしてしまうと、内々の感情と繋がらなくて本当にただただ(視聴者の皆さんを)騙しているだけになってしまうので、「そこはもうちょっとこうしようとか」という話は、脚本家さんや監督と話しつつやっています。
真(岡田将生)が所属する青委署強行班係の宮藤(中条あやみ)、石坂(宮近海斗)、小池(岸谷五朗)
真(岡田将生)が所属する青委署強行班係の宮藤(中条あやみ)、石坂(宮近海斗)、小池(岸谷五朗) / (C)TBSスパークル/TBS



■「やる気がなくて面倒くさがりな兄」に岡田将生を起用した理由

――改めて、田鎖兄弟を演じる岡田将生さんと染谷将太さんのお二人を起用したいと思った理由と、それぞれの俳優として素晴らしいと感じる部分を教えてください。

岡田さんは映画「ラストマイル」(2024年)でご一緒して、またお仕事したいなと思っていました。岡田さんは端正な顔立ちできちんとしたキャラクターの役を多くやっている印象があり、それを変えるような役がいいなと思っていて。

この企画で言えば、これまでの岡田さんのイメージ的にはどっちかというと弟(田鎖稔)の方だと思うのですが、それをあえて兄(田鎖真)にして「やる気がなくて面倒くさがりな兄」みたい役をやったらどうなるのかなと思って。

一方で、弟は内包的なキャラクターということと、単純に染谷さんとお仕事してみたいという思いがあって。そんな中で、私は全然知らなかったんですが、たまたま岡田さんと染谷さんがすごく仲が良かったんです。

「染谷さんがいいかなと思っているんです」と岡田さんにお話しした時に、岡田さんも「いいですね」と仰ってくださって。まだ所属事務所から染谷さんご本人にお話が行ってなかったタイミングで、岡田さんが染谷さんへ直接連絡しちゃうというハプニング? もありました(笑)。


――お二人による兄弟の組み合わせについて、ここまでの撮影をご覧になっていて手応えは感じておられますか?

やっぱりお二人とも本当に演技が上手いですね。回を追うごとに「すごくいい表情するな」と思わされています。


――岡田さん演じる真と同じ強行班係のメンバーとして、Travis Japanの宮近さんが出演していらっしゃいますが、宮近さんを起用された理由もお聞かせください。

宮近さんは「イグナイト -法の無法者-」(2025年)で初めてお芝居を拝見したんですが、演技が上手いな思って。Travis Japanで活動されている時とは全然印象が違ったので驚きました。


――第1話の過去のシーンで飯尾和樹さんが出てこられて、非常に重要な役になりそうだなという雰囲気を感じたのですが、そういった役柄を飯尾さんに託された理由を教えてください。

皆さんに馴染みがあって、かついつもと違う雰囲気になる人ということで、いつもニコニコされている飯尾さんにちょっとサスペンスな役回りをお願いしました。やっぱりテーマが重い作品なので、宮近さんも含めてなるべく「陽」な方が欲しかったという思いもありました。
謎のノンフィクション作家・津田雄二役の飯尾和樹(ずん)
謎のノンフィクション作家・津田雄二役の飯尾和樹(ずん) / (C)TBSスパークル/TBS



■中庭での会話シーンは「兄弟が殺された両親のことを感じている」

――本作を拝見していて、兄弟が暮らしている家が中庭があったり、室内も奥行きがあったりと非常に独特な間取りなのが印象的だったんですが、特にこだわられたポイントなどありましたら教えてください。

兄弟の住んでいる部屋は、実は登録有形文化財になっているスタジオで撮影しているんです。自宅のシーンってたくさんあるので、本来は時間帯を問わずに昼のシーンも夜のシーンも自在に撮れないといけないんですが、あの部屋として使っているスタジオは窓が多くて、それできなかったんです。

一時はこの場所で撮ることを諦めるかどうかという話にもなったんですが、逆に部屋の中だけじゃなくて、廊下と部屋の中とか、中庭と部屋の中とか、いろいろと配置を組みやすかったので、結果的にちょっと変わった部屋になりました。ちなみに、あの中庭はマンションの中庭という設定なんですが、二人が独占して使っています(笑)。


――中庭で二人が会話するシーンも印象的でしたが、あの場所は二人にとって何か特別な場所となっているのでしょうか?

真がお香を炊く場面があるんですが、あれは二人が殺されたお母さんとお父さんのことを感じています。「空を感じる」みたいな描写が欲しかったので、ああいったシーンを入れました。

元々台本ではその場所を屋上にしていたんですが、屋上だと部屋から一回出て屋上まで上がらなくちゃいけないので、お芝居が作りづらくなってしまって。その点中庭なら行ったり来たりしてもお芝居が途切れないようにできるので、あの形になりました。

やっぱりすごくいい物件だと思って選んだのですが、スケジュールはすごく大変でした(笑)。昼は昼、夜は夜でしか撮れないので、俳優部の皆さんは話数があっち行ったりこっち行ったりで特に大変だったと思います。


――晴子の店のいかがわしい雰囲気も印象的だったのですが、あの空間のこだわった点やポイントについても教えてください。

あの店もセットではなくロケで撮影していたのですが、空っぽの部屋に全部を飾っています。美術さんが力を入れて、時間をかけていい雰囲気の店を作ってくださいました。
本作でも一際印象的な、田鎖兄弟の自宅中庭でのシーン
本作でも一際印象的な、田鎖兄弟の自宅中庭でのシーン / (C)TBSスパークル/TBS



■「受けてもらってもいない段階から勝手に『主題歌は森山さんです』と言っていた」

――新井さんが第1話をご覧になっての率直な感想と、今後SNS等で話題になりそうなポイントについて教えてください。

映像に高級感があるなと思いました。「日本アカデミー賞」で優秀照明賞を獲っている宗賢次郎さんという方が撮影監督にいらっしゃったので、素敵な世界観だなと思いました。

山本監督は私がやっていた湊かなえさん原作の作品(「夜行観覧車」「Nのために」など)や「最愛」なども監督してもらっていました。今回、山本監督がチーフ監督ということで、「どんな感じになるんだろう」と見ていましたが、「山本ワールドだな」という感はありました。


――新井さんはこれまでさまざまな話題作やヒット作を数多く作られてきましたが、本作で新たな挑戦となったのはどういったところでしょうか?

脚本の渡辺さんとは私のプロデューサーデビューの作品でご一緒して以来です。渡辺さんが手がけられた舞台を見に行ったりもしていたんですが、なかなか私の作品で脚本をお願いするチャンスがなくて。

そんな中でこの作品をやるとなった時に、最近ご一緒していない脚本家さんにお願いしようと思い、真っ先に思いついたのが渡辺さんでした。渡辺さんはサスペンスがお得意だろうなと思っていたので、そこは安心してお任せしました。

また、山本監督とはこれまでサスペンスを4本一緒に作ってきていたので、私の好みは何となくわかってくれているんじゃないかという思いもあって(笑)。それが分かっている中でどういう世界観を作られるのかなという興味で今回お願いしました。


――新井さんは野木亜紀子さんや塚原あゆ子監督と組まれた作品が多い印象がありますが、今回はお一人で立たれているという印象がドラマファンの中にもあると思います。そういった部分での意気込みというか、どんな意識で臨まれているのかお聞かせください。

意識は変わらないですね。脚本については、監督が入っていない状態で脚本家さんと作っていくので、それを初めて監督に「こういうのを作りたいんですがどうでしょう?」と読んでもらう瞬間があるんです。その時に「これメッチャ面白いね」と言われるか、それとも「ヤバいよこれ」と言われるか、そんなドキドキは常にあります。

監督は別の作品をやられていることが多くて、そちらに関わっているとなかなか打ち合わせもできないので、こちらで脚本の作業を進めているんです。監督が合流したタイミングでひっくり返されることもありえます。

今回はオリジナル作品なので、脚本家さんと1年くらいかけて作った“全話プロット”的なものが存在していて。それを理解してもらうのにもかなり時間がかかるので、山本監督には結構早い段階から入ってもらいつつ、設定についてもいろいろと話し合っていました。そのやり方自体は、塚原監督の時とも変わってはいないです。


――森山直太朗さんの主題歌について起用の経緯や、込められたこだわりなどをお聞かせください。

この作品の企画書を書いている時から森山さんの曲をずっと聴いていたので、受けてもらってもいない段階から勝手に「主題歌は森山さんです」ってずっと言っていたんです。実際にお引き受けくださるとなった時に二度ほどお会いして何時間も話して、ご本人曰く「何度もやり直しになるんだろうな」と思ったそうなんですが、一発ですごくいい曲を作ってくださいました。

最初はピアノだけのデモだったんですが、それでもすごい存在感がありましたし、作品ともマッチしているなと思いました。「ちょっとノスタルジックな感じ」というか「懐かしさ」というか、「昔の彼らと今の彼らの姿」といった要素については、こちらからオーダーしたような気がします。
田鎖稔(染谷将太)
田鎖稔(染谷将太) / (C)TBSスパークル/TBS



■物語は「最終回に限らず切ないシーンが多いです」

――キャストの皆さんには、早い段階から結末までストーリーは伝えられているのでしょうか?

全話プロットを伝えているのは、兄弟二人と犯人だけです。それ以外の方には、最終回の台本を渡していません。いまだに知らない人もいて、クランクアップされた時に皆さんに台本を渡したんですが、「ここまで来たらもう読みません」といろんな方に言われました(笑)。


――岡田さん、染谷さんが結末を知った時のリアクションはいかがでしたか?

企画書には全部書いていたので、それを聞いた瞬間がどうかは分からないのですが、台本をお渡しした時は「辛いですね…」と言っていました。最終回に限らず切ないシーンが多いです。


――岡田さん、染谷さんと犯人以外のほとんどんの皆さんが結末をご存知ないということですが、撮影現場では“考察合戦”のような雰囲気もありましたか?

「犯人じゃないですよね?」みたいなお話はよくされていました(笑)。皆さん「誰が犯人?」みたいな感じでいるので、岡田さんと染谷さんも「しゃべらないようにするのが難しいです」とか「控え室でしゃべっちゃうよ!」って仰っていました。

スタッフはもちろん知っているので、犯人について話していたら、「何の話ですか??」と聞かれることもあったようで。「すごく神経を使います。みんなにバラしてほしい!」というスタッフもいました(笑)。
なじみの町中華で並んで焼きそばを食べる真(岡田将生)と稔(染谷将太)
なじみの町中華で並んで焼きそばを食べる真(岡田将生)と稔(染谷将太) / (C)TBSスパークル/TBS



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