
ISSEIが主演を務める舞台「ぽっぷす?」が、4月16日に東京国際フォーラム ホールCで開幕した。台本・演出を鈴木勝秀が手掛ける本作は、「誰もが知っていて、誰もが口ずさめる音楽=ポップスの力」を限定された舞台空間に蘇らせることを目指したオリジナル作品。売れないロックバンドを続ける主人公・アンザイをISSEIが演じる他、音楽を担当する大嶋吾郎が生演奏でステージを彩る。コメディー要素も満載のストーリー、キャッチーな楽曲など、没入感のある本作について、ISSEIに話を聞いた。
■主演抜てきと新たな挑戦への驚き
――まずは、この作品の主演が決まった時の気持ちから聞かせてください。
素直にうれしかったです。ただ、びっくりもしました。こういうタイプの舞台に出たことがなかったので。
――直近の舞台への出演を見ても、2025年の朗読劇「鬼狩り - ONIGARI -」とも違うタイプの作品ですよね。
そうなんです(笑)。今作は、ミュージカルではないんですけど、歌唱シーンもあるので、舞台作品への出演経験はありますけど、新しいチャレンジでもあるなと思いました。
僕が演じる“アンザイ”はバンドマンで、ボーカル担当です。バンドは存続の危機に直面していて、そんな時に祖母の遺産相続の話があって。それでバンドがうまくいくんじゃないかって思うかもしれないんですけど、全然そんなことはなくて、借金があってそれの返済をしなくちゃいけないとか、ストーリーもコメディー要素があって面白い感じになっています。
劇中の曲はオリジナルで、終盤で歌う曲は沢田研二さんの「TOKIO」のオマージュみたいな曲だったり、昭和の歌謡曲のオマージュ的な楽曲だったりするので、歌唱シーンも楽しんでもらいたいです。

■ヒップホップとは違う「昭和歌謡風の楽曲」を披露
――ISSEIさんはアーティスト活動もされていますが、ヒップホップ、ラップがメインですよね。今回の音楽とジャンルが違いますがいかがですか?
今回は音楽もいつもの自分とは違うものなので、新たな一面を見てもらえるんじゃないかと思います。ジャンルは違うけど、音楽というところは一緒なので、僕自身にとっても勉強になることも多いです。
――先ほど「ミュージカルではないんですけど」と言ってましたが、せりふと歌の両方を覚える必要がありますが。
そうなんです。メロディーがある分、曲の歌詞の方が覚えやすいかもしれないです(笑)。

■ピンクのジャケットにウイッグ――大変身のビジュアル撮影
――ビジュアルも公開されていますが、こちらもいつものISSEIさんとは違う雰囲気になっています。
そうですね、全然違います。ピンクのジャケットとか着たことがなかったので、自分でもめちゃくちゃ新鮮でした(笑)。髪もウイッグをつけたりして、髪形も違う雰囲気だったりするし、帽子もかぶっているので、パッと見、僕だと分からない人もいるんじゃないかなって。
――ポージングもキマっていますね。
もちろん普段はこういうポーズを取ったりすることはないんですけど(笑)、この衣装を着たらこういうのも自然とできてしまう感じでした。ビジュアル撮影の時は稽古も始まっていないので、アンザイが自分の中に入っているわけではなかったんですけど、服装、髪形だけじゃなくて、ネイルもしていて、そういうふうにポーズを決めるというか、演じられたのかなと思います。

■主人公・アンザイの「音楽への純粋な思い」への共感
――ISSEIさんから見た“アンザイ”はどういう人物ですか? ご自身と似てる部分はありましたか?
ちょっと似てるなと思いました。おばあちゃんとの会話の中で「なんで音楽やってるの?」って聞かれて「音楽が好きだから」って一言で返すんですけど、それすごくいいなって思ったんです。自分もデビューをして2年目になるんですけど、本当に音楽が大好きで、音楽がやりたいって思ってアーティスト活動を始めたので、好きなこと…音楽への思いみたいな部分に共感しましたし、自分と重なるような気がしました。
――そういう内面での共通点が見つかると、より演じやすくなりそうですね。
お金のために音楽をやっているとか、売れたいとか、そういうことじゃなく、“好きだから”音楽をやっているというのも自分的には一緒だなって思って、そのアンザイの熱量というか熱さが好きです。人物像としては、普段は割とシャイというか、ちょっと一匹狼的なところもあるのかな。バンドの他のメンバーと仲良いけど、一人だけちょっと距離を置いている感じもあって、本当に音楽が好きだからゆえの孤立感もあるなって。
――ISSEIさんが思う“舞台”の良さは?
ライブと近いところが一番好きですね。“生”が好きなんです。舞台って“毎回同じ”というのが絶対になくて、同じ作品、同じ脚本でも毎回毎回違うんです。ライブも同じで、同じセットリストだとしてもやっぱり毎回違うんですよね。舞台も、その時の感情で出るアドリブとまではいかなくとも、せりふの伝え方、表情や動きを含めた表現は変化していくので、そういうところがすごく好きですし、「舞台って楽しいな」って思うんです。だから、「ぽっぷす?」も初日を迎えるのがすごく楽しみです。

■ルーツはAK-69、そして「いつか自分のライブを」
――アーティスト活動の方では、「Go Getter feat. AK-69」「サイレントミッドナイト」に続いて、2月に「Perfect feat. SKRYU」を配信リリースしてきていますが、こちらの活動の魅力、楽しさは?
音楽に関しては、曲を書いたりするのが楽しいですし、趣味ですね。曲を書き始めたら時間を忘れてしまって、何時間でも書いてたりします。だいたい夜中に書き始めたりするんですけど、書き終わったら朝になっているとかしょっちゅうなんで(笑)。
――ずっとヒップホップを聴いてきたんですか?
最初は全然知らなかったです。小学生とか中学生の頃はロックとかJ-POPとかを聴いてて、高校生の時に事務所の先輩がプレイリストを共有してくれて、それをバーって聴いていたんですけど、その中でビビってきた曲があって、それがAK-69さんだったんです。そこからヒップホップにハマりました。好きになるとそのジャンルの音楽だけを聴いてしまいがちですけど、知らなかったものに触れるというのも楽しかったりするので、もっともっといろんな音楽を聴いて、知っていけたらいいなと思っています。
――音楽も舞台も含めて、表現者として今後チャレンジしたいことを教えてください。
舞台も作品ごとに違うものにチャレンジできているので、それは続けていきたいと思っています。やってみたいことと言うと、自分のライブがやりたいです。これが今一番の目標ですね。
――では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
僕のことを知ってくれている方は、普段とは違うポップな一面が見られる作品なので、そういうところを楽しみに見にきてもらいたいです。この作品はストーリーもコメディー要素があったりして楽しいですし、昭和歌謡へのリスペクトを感じるオリジナル曲もたくさん聞けますので、一緒に参加するぐらいの気持ちで楽しんでもらえたらうれしいなと思います。東京、そして大阪でも上演しますので、ぜひぜひ見にきてください。
◆取材・文=田中隆信

■舞台「ぽっぷす?」とは――
物語の主人公は、売れないロックバンドを続けるアンザイ。バンド存続の危機に直面する中、祖母の遺産として洋館を相続できる可能性が浮上する。地下室をスタジオに改装し、「アイドルを目指す」という大胆な決断を下した彼らは、さらに探偵事務所から持ち込まれた“迷い犬探し”のアルバイトをきっかけに、思いもよらぬ事件へと巻き込まれていく。笑いと音楽に彩られた青春群像の中で、「夢を信じること」「誰かとつながること」の意味が、軽やかに、そして確かに描かれる。どこかなじみのある音楽とともに、劇場という空間でしか生まれない熱と一体感を届ける。
ISSEIの他、アンザイ率いるバンドメンバーを佐藤友祐、櫻井佑樹(劇団EXILE)、相原一心が務める。さらに、内河啓介、瀬戸祐介、しゅはまはるみらが脇を固める。

