
岡山県高梁市にある岡山県立高梁城南高等学校の生徒が中心になって準備を進めてきた「JONANホールディングス」が、9月に登記申請を行い、正式に設立された。
工業・農業系の高校が単独で設立した全国初の株式会社

公立高校における株式会社設立は全国でも数少なく、一部の事例に限られている。今回の高梁城南高校の取り組みは、工業系・農業系の高校が単独で株式会社を設立した全国初の事例だ。
JONANホールディングスは、卒業生や地域住民が出資し、生徒が運営する。商品の企画販売、ワークショップやイベント企画運営、デザイン科のクリエイティブ力を活かしたデザイン制作などの事業を展開予定。ものづくり系の専門高校の高校生でも、経営・会計・マーケティングなどを実践的に学ぶ機会を得られるのが強みで、将来のキャリア形成、地域社会への貢献につなげていくという。
また、高梁城南高校のJONANホールディングス設立プロジェクトとその運営を地域で支援、協働・共創していくために、地域コンソーシアム「高梁まなびとしごと未来共創コンソーシアム」も発足した。
合言葉は「失敗おめでとう」

地元の事業者に支援依頼のプレゼンを行う高校生営業部
設立にあたり、地元の事業者に支援依頼のプレゼンを、高校生の営業部が自ら実行。また、地域の商工会や金融機関からもアドバイスを受けた。

地域の商工会や金融機関からもアドバイス
今後は地域企業や自治体との協働を深め、地域からの資金支援を循環させていく。地域から集めた資金で売上・利益を上げ、次のプロジェクトに回していくことで、循環と自走により事業を持続可能にし、新しい学校と地域の共助のモデル構築を目指す。

卒業生や地域関係者らが出資して会社を登記、運営は生徒が主体
そして取り組みを通じて、地域の未来を担う起業人材・クリエイティブ人材を育成する。合言葉は「失敗おめでとう」だという。「ものづくり×ビジネス」により、進化した学びの実現を目指している。
