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介護福祉士国家試験 今年はやや「狭き門」 初のパート合格制度 1万2000人弱が対象に

介護福祉士国家試験 今年はやや「狭き門」 初のパート合格制度 1万2000人弱が対象に

第38回介護福祉士国家試験の合格発表が3月16日に行われました。

7万8469人の受験者に対し合格者は5万4987人。合格率は70.1%でした。
受験者は3年連続増加しましたが、合格者は4年連続減少しています。合格率は過去10年間で2番目の低さでした。

介護福祉士国家試験の合格率は第1回・第2回を除き、概ね50%前後で推移してきました。

第24回からは60%前後、第29回からは70%前後となり、第35回は84.3%に達するなど、次第に合格率は上がってきていました。

この背景には、学校や通信講座などの試験対策講座の充実もありますが、うがった見方をすれば、介護職の不足や高齢化などの課題がある中で、国の「介護福祉士を増やそう」という思惑が試験問題などに反映されたかもしれません。

そうした流れの中で、今回に関しては多少「狭き門」になったと言えます。

さて、今回の試験では「パート別合格制度」が初めて導入されました。

前回までは試験全体の点数で合否を判断していました。

▶介護福祉士試験のパート合格制度とは?新制度のポイントと現場の懸念を解説

それに対して、試験をパートごとに分割して採点します。

そして全体の合計点数は合格に満たなくても、合格基準に達しているパートがあれば、次回以降の試験でそのパート受験が免除されるというものです。

例えば、A、B、Cのパートがあり、Aパートは合格基準に達しているが、B、Cパートは達しなかった場合。

翌年の試験ではB、Cパートのみの受験が可能です(翌年、改めて全パートを受験することもできます)。合格パートの受験免除は、翌々年まで有効です。

つまり、今回の試験でAパートを合格した人は、2028年の第40回国家試験までAパートの受験は免除されます。

今回は「コミュニケーション技術」「生活支援技術」など60問がAパート、「認知症の理解」「障害の理解」など45問がBパート、「介護過程」「総合問題」の20問がCパートとされました。

合格基準点はAパート33点、Bパート21点、Cパート12点(1問につき1点)です。

そして、全体では不合格となったものの、Aパートについては3935人が合格扱いとなりました。
Bパートは1509人、Cパートは6181人です。

私個人としては、パート合格制度はメリット・デメリット双方があると感じています。

今回の試験に合格せず、翌年再挑戦するとしても合格パートがあれば勉強時間は短くて済みます。

介護事業所の中には受験者のために業務中に勉強時間を確保しているところもあります。その時間が短くなれば、ほかのスタッフの労務負担の軽減につながりますから大きなメリットといえます。

▶介護従業者が職場を選ぶ際の「資格取得費用補助制度」活用の注意点 ―キャリアアップと安心のために知っておきたいポイント

一方、合格パートについては最長で2年間試験免除になります。

その間に「受験者が介護について何も学ばない」ということはまずないでしょうが、受験勉強をしなくなるぶん知識や情報をアップデートする機会が減ることが考えられます。

「Aパートの知識は2年前、Bパートの知識は1年前、今回はCパートのみ受験して合格した」という介護福祉士が、一発合格の介護福祉士に比べて全体的なバランスが取れているのか、という点で不安や懸念を覚える人が出ることも予想されます。

今回パート合格をした人が、次回でどれだけ合格するのか、再々受験にまわる人がどれだけいるのか。

また、そうして合格した介護福祉士の知識などは十分な域に達しているのかなどの点は、1年先にならないとわかりません。

また、新たに1年間勉強するモチベーションを保てず、次回以降の受験を諦めるパート合格者が多く出るかもしれません。そうなると、せっかくの新制度も意味がなくなります。

▶職場に無断での資格取得はご法度?スタッフの「学びたい」意欲を削いでいないか

今回のパート合格制度が、果たして介護福祉士の増加につながるのか、質の低下を引きおこさないのか、動向を細かく見守っていく必要があります。


介護の三ツ星コンシェルジュ

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