気管支炎と聞くと「咳の症状がある病気」と思いがちですが、風邪のウイルスなどが原因で引き起こされます。
風邪はすぐ治ると軽く考えていても、気管支炎が発症すると咳が続き重症になると入院するケースもある怖い病気なのです。
気管支炎は急性気管支炎と慢性気管支炎の2種類に分けられますが、原因・症状・治療方法に違いがあります。
気管支炎とはどんな病気なのか特徴や原因について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「気管支炎」とは?症状・原因についても詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
工藤 孝文(工藤内科)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
気管支炎とは

気管支炎とはどんな病気ですか?
気管支炎は咳や痰など呼吸器の症状が続き、上気道炎(風邪)よりも、気道の深い場所で炎症が起きる病気です。
気管支炎はレントゲンだけでなく、血液検査・気管機能検査・CT検査により診断され、喘息や肺炎など他の呼吸器疾患と鑑別されます。
気管支炎といっても急性気管支炎と慢性気管支炎の2種類ありますが、病院で「気管支炎」と診断された場合、急性気管支炎のケースが多いです。
気管支炎は何が原因で発症しますか?
急性気管支炎の場合、原因の大半は気管に入り込んだウイルスです。細菌が原因になっているケースもありますが、インフルエンザウイルス・アデノウイルス・ライノウイルス・肺炎球菌などのウイルス感染が気管支炎を引き起こします。
上気道炎(風邪)が引き金になるケースもあり、咽頭から気管支までと炎症が広範囲に広がる場合もあります。ただの風邪と軽く考えていても、気管支炎を引き起こすケースもあるため注意が必要です。また、化学物質を含むスプレーの吸い込みが原因となっている場合もあります。慢性気管支炎の場合は、喫煙・大気汚染・アレルギーなどが原因です。
有害物質を長期間にわたって吸入することにより、慢性的に気道に炎症が起こります。慢性気管支炎は喫煙期間が長い方に多くみられるため、喫煙者は慢性気管支炎になるリスクが高いといえます。
発症しやすい季節や年齢はありますか?
気管支炎はウイルスが原因となるケースが多いため、風邪やインフルエンザが流行する冬場に発症しやすいといえます。
とくに、季節に関係なく流行するウイルスもあるため、冬以外は気管支炎にならないわけではありません。
また、気管支炎は誰にでも発症する恐れがあります。とくに、子供や高齢の方は抵抗力が低く、ウイルス感染するケースが多いため注意が必要です。
寒い季節は特に注意が必要ですね。
風邪やインフルエンザなどのウイルスは気温が低く空気が乾燥している場所で増殖するため、寒い季節は注意しなければいけません。
ウイルスは、気温や湿度が高い場所ではすぐに落下しますが、気温や湿度が低いと落下が遅くなり30分ほど空気中に滞在します。そのため、風邪などの症状がある方が咳やくしゃみをすると、ウイルスが空気中に漂い鼻や喉に入り込んで感染してしまうのです。
ウイルスが増殖しやすい冬場は、保温・加湿(室温は20〜25℃・湿度は40%以上)を維持し、手洗い・マスク着用・十分な睡眠や栄養補給など、風邪対策をしてくださいね。
編集部まとめ

気管支炎は咳や痰などの症状があり、息苦しい状態が続くため辛い病気です。
風邪は軽い病気と思いがちですが、ウイルスが気管に入り込んでしまうと気管支炎を引き起こしてしまうため、注意しなければいけません。
そのため、風邪やインフルエンザに感染しないことが1番の予防になります。
また、気管支炎を発症させないために、普段の生活習慣を見直し健康な体作りを心がけましょう。
参考文献
急性気管支炎|一般社団法人日本呼吸器学会
咳が止まらないとき病院は何科で受診?内科?耳鼻科?早期治療のメリットも|Medicalook(メディカルック)
気管支炎の診断・治療|渋谷内科・呼吸器アレルギークリニック

