
仲島有彩が主演を務めるFODドラマ「転校生ナノ」が、4月24日(金)より独占配信が開始される。これを記念して、本作の完成披露イベントが、4月16日にフジテレビ本社マルチシアターにて実施され、仲島をはじめ、本作のメガホンをとった堤幸彦氏(監督)、ユ・ヨンソン氏(脚本・監督)、畑中みゆき氏(脚本・監督)の4人が登壇した。
■「この転校生、何かがおかしい」学園ミステリー・スリラー
本作は、タイドラマ「転校生ナノ」シーズン1の同名日本版リメーク作品の学園ミステリー・スリラー。学園という閉鎖空間を舞台に、ある日突然クラスにやってきた謎の転校生“ナノ”によって、閉ざされた日常が揺らいでいく模様を描く。
エピソードごとに異なる学校へと転校していくナノは、そこで出会う教師や生徒が抱えるうそや秘密に踏み込み、彼らに“選択”を促す。それにより、彼らがひた隠しにしてきた欲望を次第にあぶり出していく。自らの欲望に従った彼らの運命とともに、彼女の存在をきっかけに、学校という秩序が静かに、そして確実に狂い始める。
■仲島有彩、4人の監督が手がける本作で俳優デビュー
ナノは頭脳明晰で美しく、誰もが憧れる完璧な存在。しかし、そのほほ笑みには感情がなく、人の弱さや本音を見抜き、周囲を追い詰めていく。そんなナノを、本作で俳優デビューとなる仲島が演じる。
FODが手がける本作では、4人の監督が全6話をそれぞれ担当し、オムニバス形式で描く。episode1.「特別レッスン」は堤監督が、episode2.「ソーシャル・ラブ」とepisode4.「正しいのは私」は熊切和嘉監督がメガホンを取り、episode3.「女王の資格」とepisode5.「憎しみの壁」をユ監督が、episode6.「探しものは何ですか?」を畑中監督がそれぞれ脚本と監督を務める。
■ユ監督「(初の日本現場は)意外なところが一つあった」
大きな拍手で迎えられ、本作で俳優デビューを果たす仲島、堤監督、ユ監督、畑中監督の4人が登壇。まずは仲島が緊張した面持ちで挨拶をすると、すかさず堤監督が「仲島さんがむちゃくちゃ緊張してるんで、こういう新人の動揺ぶりを見るのも逆に気持ちが新鮮になりました」と冗談を飛ばし、場を和ませた。
その言葉を受けて仲島は、「初めて人の前で、舞台の上に立つので本当に緊張でいっぱいなんですけど、素晴らしい4名の監督さんのもとでデビュー作を飾れて本当に恵まれているなと感じています。皆様にこうやって見ていただけて本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と感謝を述べる。また当日、スケジュールの都合で登壇できなかった熊切和嘉監督は、冒頭の挨拶をはじめ、随所でビデオメッセージにてコメントを寄せた。
MCを務めた生田竜聖アナウンサーから、「アジアを代表する4人のクリエイターによる競作というのが本作の魅力の一つ。堤監督が手がけた第1話の注目ポイントは?」と尋ねられると、堤監督は「私はアジアを代表してはおりませんけれども(笑)」と前置きして笑いを誘いつつ、「他の皆様の回を見て勉強させていただきました。このシリーズは『あなたの周りにどこにでもあるお話ですよ』という社会的なメッセージがありまして、裏を返せば怖いストーリーになっています。日本には『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)という素晴らしいシリーズがありますが、それを彷彿とさせるいいシリーズになってるんじゃないかと思います」とアピールした。
続いて、本作が日本での初撮影となったユ監督。韓国の現場との違いを聞かれると、「本当に大変なことは一つもなかったですね。でも、意外なところが一つあったんですが、お弁当がかなり美味しかったです」と笑顔を見せ、「韓国で撮影をする時は、主に撮影現場の近くにある食堂を押さえて、そこで食事をしてまた現場に戻るというシステムが多いんです。今回は毎回お弁当を準備していただいて、本当に美味しくてそれが力になり、撮影を頑張れました」と振り返った。
■畑中監督「有彩さんは“アメーバ”みたい」
さらに、「4人の監督陣が仲島を一言で例えるなら」という質問の回答がモニターに映し出されると、堤監督が「(畑中監督の)『アメーバ』っていうのが面白すぎる」とツッコミを入れる。
そんな堤監督は「選ばれた人」と表現し、その理由について「どのような経緯でデビューされたかをちらっと耳にしましたけれど、1万人いてもこういうドラマシリーズの主役に選ばれるというのは、多分プロが見れば一瞬でわかったんじゃないかと思うんですね。何気ない日常の中からこういう舞台にポッと出ることができる、それも才能だし能力。そういう力を持った方なんだなと」と口にし、「しかも、初めてで演技の基礎素養や修業があまりない中で、ほとんどミスなくできたというのは、これは選ばれた人としか言いようがないですね」と絶賛。その言葉に仲島は「全然ミスはしまくって…ご迷惑おかけしたんですけど、すごくうれしい言葉です」と恐縮していた。
熊切監督はVTRで「浮世離れした人」と表現し、「普段の仕草やしゃべり方から、地上から10センチ宙に浮いてるような感じがしましたね」と語る。また、「静かなカリスマ」と回答したユ監督は、「私が仲島さんに驚いたことがあったんですが、第5話の最後の場面がロングテイクだったんです。何回も撮影を繰り返していたんですが、ただの一度もまばたきをせずに、全く同じ姿で演技をしてくれたんですね。それを見ながら私だけでなく現場のスタッフたちも『うわー』と感嘆しましたし、本当にナノみたいだなと思いました。特に言葉がなくても、やり遂げなければならないことはすべてやり遂げる方なんだなと思って、このように書きました」と説明した。
そして、堤監督がずっと気になっていた畑中監督の「アメーバ」という一言。畑中監督は「そうか……こうやって書くのかって他の監督の一言を見て思いました。オチみたいになっちゃってすみません」と苦笑し、「でも、ちゃんと理由があるんです」と続ける。「私が担当した話は、相手の心が映し鏡みたいになって、少し純粋なナノが登場します。そういう時に、ちゃんと相手のお芝居を見て、受けて出してくれるというところがすごくアメーバだなって…ちょっと酔っ払ってたんですかね、書いた時(笑)」と釈明。さらに「タイの原作者の先生に『なんでこの回のナノってこんなに純粋なんですか?』と伺ったら、『ナノは対峙する人の感情が移るんだ。合わせ鏡なんだ。だからいろんなナノがいるんだ』とおっしゃっていて、すごく納得したんです。そんなナノを演じ切れる有彩さんはアメーバみたいだなと思って」と理由を明かした。
■仲島「本当に責任とプレッシャーがあった」
また、オリジナルのタイシリーズのエグゼクティブプロデューサーであり、本作にも携わっているエカチャイ・ウィークロンタム氏から特別メッセージが届く。「ナノは神秘性と予測不能さによって定義される存在であり、簡単に言葉で捉えることはできません。しかし、有彩が演じ、監督たちの手によって日本で新たなナノが誕生しました。それはこれまでのナノとは異なる唯一無二の存在です。ぜひその目で確かめてください。この転校生はすでに私に強い印象を残しました。次は世界を魅了する番です。仲島さんおめでとうございます」。
この温かい言葉に、仲島は「タイバージョンのナノがすごく世界中から愛される作品だったので、本当に責任とプレッシャーがあったんですけど、今この言葉を聞いて本当にホッとしました。うれしいです」と感激の表情を浮かべていた。
取材・構成・文=戸塚安友奈

