
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のバイオレンスアクション「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2の第5話「大いなる計画」が、4月15日に配信された。前回、“キングピン”ことウィルソン・フィスク(ヴィンセント・ドノフリオ)が行ったボクシングのチャリティーマッチの会場に、“ブルズアイ”ことベンジャミン・ポインデクスター(ウィルソン・ベセル)が来襲。フィスク自身は難を逃れたが、来場する予定ではなかった妻ヴァネッサ(アイェレット・ゾラー)のこめかみにガラスの破片が刺さり、意識を失うという衝撃のラストを迎えた。第5話は、昏睡状態のヴァネッサが病院に運び込まれ、フィスクの怒りが頂点に達する緊迫感にあふれた状況で始まった。(以下、ネタバレを含みます)
■フィスクとヴァネッサの出会い
特別部隊「AVTF(アンチ・ヴィジランテ・タスク・フォース)」にブルズアイの捜索を命じるフィスク。その上で、あえて「殺すな」と付け加えたところからも、“簡単には済ませない”というフィスクの怒りを感じる。
ボクシング会場からブルズアイを連れ出したのは“デアデビル”ことマット・マードック(チャーリー・コックス)。マットは深い傷を負ったブルズアイを助けようとするが、「手当てなどいらない。当然の“報い”だ」と拒否しようとする。ヴァネッサに命じられたとはいえ、マットの大事な親友でパートナー弁護士のフォギー・ネルソン(エルデン・ヘンソン)を殺害したことに罪悪感があるのだろう。
しかし、マットは“死なせない”という気持ちで、なんとかしようとしている。ブルズアイを生かしておく/死なせない。フィスクとマットが言っていることは同じだが、意味は真逆。ブルズアイを“生かしておく”ことが、のちにどう影響を与えるのか、今後の展開が気になるところだ。
ヴァネッサの昏睡状態が続く中、フィスクとヴァネッサが出会った頃の回想シーンへ。「マーベル/デアデビル」シーズン1の第3話「吹雪の中のウサギ」で2人の運命的な出会いが描かれているが、そのきっかけとなったのがその回のタイトルにもなっていた「吹雪の中のウサギ」という“真っ白な絵画”だった。
ヴァネッサは絵を前にして「重要なのは画家の名前でも技術の高さでもない。絵自体でもない。重要なのは“どう感じるか”」と、フィスクに伝える。それに対するフィスクの返答は「私は孤独を感じる」だった。
今回、それよりも少し前が回想シーンで描かれている。ギャラリーの展示物から外されそうになっていたこの絵にヴァネッサは魅力を感じ、「この作品にふさわしい人が現れて、見たら感じるはず」と言い、「自分自身の奥深くまで根を張ってる哀れな虚しさが作品から跳ね返ってくるの。そうすると(値段に)ゼロを2つ足しても売れますし、どの作品よりも先に売れることを約束します」と彼女自身の考えを主張。その場では再展示は却下されたが、ヴァネッサの意思は強かったのだろう。やがて実際に展示されると、“ふさわしい人”が現れ、早く買われていったのだから。
■マットとフォギーの回想シーンもエモい
フィスクとヴァネッサの出会いの頃を回想で見ることができたが、マットとフォギーの弁護士としてはまだ駆け出しの頃も回想として描かれた。被告人がフォギーを昔から知る人物で、司法取引で量刑を軽くする作戦をフォギーたちは練っていたが、刑務所に入れば24時間で消されてしまうと聞き、裏事情があることを知る。この回想の中にフィスク、そしてフィスクが信頼を寄せていた在りし日の部下ジェームズ・ウェスリー(トビー・レナード・ムーア)も登場する。
この第5話は、「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2の後半スタートの回となるが、「ボーン・アゲイン」のシーズン1とシーズン2を結びつける重要な回であるとともに、「マーベル/デアデビル」ともしっかりとリンクしているということを示す特別なエピソードだということに気付かされる。
回想シーンが、単なる思い出や振り返りではなく、描かれていなかった(視聴者には見えていなかった)部分が明らかになっているのも注目すべきポイントと言える。
回想シーンとはいえ、フォギーの姿が多く見られたことは「デアデビル」ファンにはうれしかったに違いない。フォギーを殺害したブルズアイを生かしておこうとマットが決めたのは、フォギーの考えに影響を受けたからだろう。
そして、フィスクとヴァネッサの回想シーンはまた違った意味合いが感じられる。ヴァネッサが昏睡状態だということを考えると、“走馬灯”のように死に向かっているのではないかと思わせる部分もある。
第4話のラストシーンは強烈だったが、今回はそれも上回るほどの衝撃的な展開を見せた。ヴァネッサが死の淵から生還し、意識を取り戻す。喜ぶフィスクだが、彼女が嫌いなはずのパイナップルジュースを欲したことで“異変”を感じた。「お話を聞かせて。私たちの出会いについて」とヴァネッサは何度もフィスクにお願いし、そして場面は2人が出会う瞬間の回想シーンへ。
マットとフォギー、フィスクとヴァネッサの回想シーンに、SNSには「第5話で泣かせにきた」「終始泣いてしまいました」「回想シーンが良質過ぎる」「これまでのデアデビルで一番泣ける話だった」「過去の話がエモい」「神回」といった声があふれている。
今回のラストシーンを受けて、第6話は怒涛(どとう)の展開になることは間違いなさそうだ。
「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2は、毎週水曜に新エピソードをディズニープラスで独占配信中。
◆文=田中隆信

