認知症のような症状が現れた場合、実はその原因が甲状腺だったというケースがあるようです。このような症状は適切な治療によって改善が期待できるため、見逃さないことが重要です。そこで、甲状腺機能低下症と認知症の関係について、内分泌代謝科専門医の川名部新先生(おばな内科クリニック)に解説してもらいました。

監修医師:
川名部 新(おばな内科クリニック)
聖マリアンナ医科大学卒業。同大学病院では代謝内分泌を主として、糖尿病や生活習慣病を専門に経験を重ねる。2023年4月より川崎市中原区にある『おばな内科クリニック』を継承し、院長を務める。日本内科学会認定医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医、臨床研修指導医
編集部
甲状腺機能低下症が認知症と関係すると聞いたことがあります。
川名部先生
はい。甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンの分泌が低下することで神経伝達が不十分になることもあるため、記憶力の低下や反応・判断の鈍さ、無気力といった症状が出ることがあり、認知症と診断されてしまうことがあります。“治る認知症”と呼ばれることもあります。
編集部
甲状腺機能低下症が原因の認知機能低下は多いのですか?
川名部先生
頻度は高くありませんが、見逃されるケースがあり注意が必要です。特に高齢者では症状が認知症と紛らわしいため、認知症の治療を続けてしまうこともあるようです。
編集部
甲状腺機能低下症と認知症を区別するにはどうすればよいですか?
川名部先生
甲状腺機能低下症は血液検査で診断できます。認知症の症状がある場合でも、まず甲状腺ホルモンの値を確認することで、本当の原因を見極めることができます。もちろん、両者が併発することもあるので、「甲状腺機能低下症だったから認知症の心配はない」ということはありませんので、こちらも注意が必要です。
編集部
どのタイミングで甲状腺の検査を受けたらよいでしょうか?
川名部先生
記憶力低下や疲れやすさ、無気力などが続く場合には、一度甲状腺機能を調べてみるとよいでしょう。特に、原因がはっきりしない場合には、早めの検査をおすすめします。さらに、前述のような寒がりや体重増加、疲れやすさなどの症状を伴っている場合は、甲状腺機能低下症の可能性がより高いと思われますので、早めに病院を受診してください。
※この記事はメディカルドックにて<認知症と思っていたら甲状腺疾患だったということも… 「治る認知症」をご存じですか?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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