
幼少期から絵を描くことが好きで、現在は漫画家として活動しているアヤ(@aokitaji)さん。看護師・看護学生向けWEBメディア「ナース専科」で、現場のリアルなエピソードをもとにした作品を連載している。今回紹介するのは、その中の1作「怖い先輩と打ち解けれた日」。一見近寄りがたい先輩が見せた、思いがけない一面が胸を打つ物語である。
■距離のある“怖い先輩”との関係



新卒で手術室に配属された主人公の看護師。職場には、挨拶してもそっけなく、淡々と仕事をこなす近寄りがたい先輩がいた。言葉数も少なく、どこかピリついた空気をまとったその存在は、まさに“怖い先輩”そのものだった。
やがて3年目を迎えた主人公は、今度は自分が後輩Aさんを指導する立場となる。しかし新人教育は思うようにいかず、指導の難しさに悩む日々が続いていく。
■思いがけない一言が救いになる
ある日、その怖い先輩から「Aさんの成長が遅いけどどうするの?」と問いかけられ、言葉に詰まる主人公。厳しく叱責されるのではないかと身構えたそのとき、先輩の口から出たのは予想外の言葉だった。
「焦らなくていいのよ、その子によって成長のスピードだって違うんだし。全部完璧になんで出来るわけないんだから」。その一言は、張り詰めていた主人公の心を一気にほどいていく。
■“怖い人”の奥にあった優しさ
思わず涙があふれる主人公に対し、先輩は何も言わず、ただ抱きしめて泣き止むのを待つ。そして「あなたが試行錯誤しているのはわかっているから…スッキリしたら切り替えて仕事するよ」と静かに声をかけ、その場を去っていった。
怖いだけだと思っていた先輩が、実はずっと見守ってくれていた——その事実に気づいたとき、主人公の中で何かが変わった。以降はその言葉を支えに、後輩指導に向き合っていくことができるようになったという。
■厳しさの裏にある本気の思い
本作についてアヤさんは、過去の職場経験を振り返りながらこう語る。「アパレル業だったので、毎回どの店舗に配属されても店長が怖かったです(笑)。ですが、実の子でもない私に対して本気で向き合ってくれたことを、今では感謝しています。」
怖さの裏にあるのは、相手を思うからこその厳しさ。そんな“厳しさ系やさしさ”とも言える関係性が、本作には描かれている。
看護の現場には、時に“圧”を感じるような先輩もいる。しかしその多くは、相手の成長を願う気持ちから来ているのかもしれない。アヤさんの作品は、実際の看護師から寄せられたエピソードをもとに描かれており、現場のリアルな感情が詰まっている。そのほかの作品にも、胸に響くエピソードが数多くそろっている。
取材協力:アヤ(@aokitajimaru)
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