膵臓がんは、国内でがんによる死亡者数が第4位と高く、難治性のがんとして知られています。早期発見が困難で、見つかったときには進行しているケースが多いのが理由のひとつのようです。そこで膵臓がんの早期発見の重要性について「かわぐち消化器内科」の川口義明先生に解説してもらいました。

監修医師:
川口 義明(かわぐち消化器内科)
札幌医科大学卒業。横浜市立大学で研修後、札幌医科大学旧第二内科消化器グループに入局。横浜市立大学、 京都第二赤十字病院、東海大学医学部付属病院などで経験を積む。2017年、横浜市港南台に「かわぐち消化器内科」を開院、院長となる。医学博士、東海大学医学部客員教授、横浜市立大学医学部臨床教授。日本内科学会認定総合内科専門医、日本消化器病学会認定専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会認定専門医・指導医、日本肝臓学会専門医。
編集部
ほかにも早期発見が難しい理由はあるのですか?
川口先生
例えば大腸がんなどの場合は、「大腸内視鏡検査」を受けることで、がんのみならず、がんの前段階で病変を早期に発見することが可能です。しかし膵臓がんの場合は、膵臓は体の奥深くにあり、通常の健康診断などでは膵臓を詳しく調べる機会が少ないため、がんが進行するまで発見が遅れることが多いのです。
編集部
膵臓の検査が大事ということでしょうか?
川口先生
そうですね。しかし、一般的な健康診断やがん検診でおこなわれる腹部エコーや血液検査だけでは、膵臓がんを早期に見つけるのはかなり難しいかと思います。膵臓の精密検査としては、超音波内視鏡(EUS)、CT、MRI検査などがあります。特にEUSは、膵臓の詳細な画像を得ることができるため、早期診断に有用とされています。
編集部
EUSとは何ですか?
川口先生
EUSは、内視鏡の先端に超音波装置を搭載し、消化管の内部から膵臓や胆道などを詳しく検査できる方法です。通常のエコーでは見えにくい膵臓の奥深い部分まで確認でき、早期のがんや病変をより正確に評価できます。がんの疑いがある場合は、EUSガイド下で組織を採取し、より精密な診断をおこなうことも可能です。
編集部
健康診断でどのような所見があればEUSを受けるべきですか?
川口先生
健康診断の腹部エコーで「膵管の拡張」や「膵のう胞」が指摘された場合は、精密検査が必要です。膵管の拡張は、膵臓がんの前兆である可能性があり、膵のう胞も種類によってはがん化するリスクがあります。放置せず、速やかに医療機関で検査を受けましょう。
※この記事はメディカルドックにて<「膵臓がんになりやすい人」とはどういう人? 早期発見が難しい理由も医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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