
福士蒼汰が主演を務めるドラマ「東京P.D. 警視庁広報2係」のその後を描くseason2が、現在FODにて毎週火曜夜9時より最新話が順次独占配信中だ。
本作は、事件捜査の裏側で活躍する“警視庁広報課”を舞台に、広報VS刑事部・公安部・キャリアの意地とメンツがぶつかり合う姿を描く、完全オリジナル脚本の社会派警察エンターテインメント。元報道記者が原案を手掛け、時にメディアを利用し、情報をコントロールしながら事件解決に奔走する広報課のリアルな裏側を映し出す。
season2は、自己啓発セミナー団体“新生自尊の会”の会員・丸井秀夫が、国家公安委員長を襲撃する事件から物語が幕を開ける。
今回は、そんなseason2の核心を担う犯人・丸井役を演じる、超特急の小笠原海にインタビュー。同じグループのメンバーであり、season1で物語を動かすキーパーソン・伊澤嘉人役を演じた草川拓弥への思いや、本作でのハードな役作り、芝居への情熱などについてたっぷりと語ってもらった。
■「超特急のメンバー間でバトンをつなげるのは感慨深い」
ーーまずは本作に対して、どんな印象を持っていたかを教えてください。
広報部に焦点が当たっているドラマを僕は知らなかったので、今までにない新しい視点で刑事ドラマを見ることができる作品だなと思いました。現実とリンクする部分もあって、考えさせられることも多いなと感じます。season1から続いている物語が、より大きな事件としてseason2へつながっていくので、大事に演じたいなと思いました。純粋に、今までにない刑事ドラマに僕が参加させていただけるのは、本当にありがたいです。
ーーでは、草川さんに続いて、超特急のメンバーで同じシリーズの作品に出演することが決まったときの心境を教えてください。
超特急のメンバー間で、こうして作品のバトンをつなげるのはとても感慨深いですね。役柄としても“新生自尊の会”という共通点があって。直接のつながりはないですが、リンクする部分もあるので身の引き締まる思いです。出演が決まった時も、いの一番に拓弥に「同じの出ます」って報告したら喜んでくれました。高校から一緒で関係値が長いメンバーだからこそ、一緒に作品を盛り上げられるのは本当に誇らしいです。
■「人生の半分以上一緒にいるけど、(拓弥の)見たことない姿に驚いた」
ーー草川さんから、本作への出演について何か言葉はありましたか?
特にアドバイスはなかったですが、「同じ作品に出られるのはすごくうれしいね」と話していました。直接の共演はないけれども、season1からseason2への根幹的な部分でしっかりとつながりがある。物語を通してつながっている部分が感じられるので、そこは拓弥も楽しみにしてくれています。
ーー草川さんが演じた伊澤もseason1の軸であり重くダークな役柄でしたよね。本作での草川さんのお芝居に対して思うことはありましたか?
純粋にすごいなって。同じメンバーがお芝居している姿を直接見ることってなかなかないので、人生の半分以上一緒にいますけど、見たことない姿に驚きました。こういった経験がライブのパフォーマンスにも生かされていると感じますし、近くで見ていて刺激になります。僕自身も頑張りたいなと思う要因でもありますね。
■「新しい自分の表現方法に出会えたら」
ーー小笠原さんは本作への出演自体には何か思うことはありましたか?
元々マネージャーさんと「今後、骨太でハードな作品には挑戦していきたいよね」と話していたので、それが今回実現したことは本当に念願が叶いました。僕が面白いなと思う作品って、ただの悪じゃなくて、その人なりの正義や信じるものがある悪役が魅力的であることが多いんです。今回の丸井もまさにそうなので、演じがいがあるなと思って臨みました。
ーーこういった骨太な作品に出演したいと思ったきっかけはあったのでしょうか?
お芝居に向き合っていく中で、自分をもっと追い込むような感情や必死さを出せるといいなと思っていたんです。僕自身、普段あまり感情の起伏が激しいタイプではないので、新しい自分の表現方法に出会えたらいいなという思いもありました。
ーーその“新しい自分”に丸井という役を通して出会えそうですか?
そうですね、挑戦だらけなので。シーンの半分以上が取調室での1対1の対面シーンになるのですが、ただ淡々としゃべるだけじゃなくて起伏が激しく、同じ空間の中で感情が行ったり来たりするんです。相手に悟られないように自分の中でフツフツと燃え上がる…みたいな表現も多いので難しいですが、皆さんの力をお借りして一つひとつ丁寧に挑ませていただいています。
ーーでは、役者として“社会派な作品”だからこそ吸収できるものはありますか?
僕自身が知らなかった世界を知るきっかけにもなりますし、社会に届けるメッセージ性が強いものなので、影響力があるのではないかなと感じます。今回演じてみて、丸井は事件を起こす時には悪いことをしてるつもりは全くなく、世の中を変えるんだという思いで向き合いました。ただ善悪だけでは語れない、「正義の反対はまた別の正義なんだろうな」というのはより強く感じましたね。
■「(丸井と)性格の根っこの部分はとても似ている」
ーーそんな自身が演じる丸井の魅力はどんなところにあると思いますか?
丸井自身はすごく真っすぐで、もろい部分がある。真面目で自分に自信がないからこそ、すがれるものを探しているような青年です。シンプルに言うと“誰でもなり得る可能性がある人物”。ただの犯人役というよりは、人間の危うさを感じていただけるはずですし、自分を重ねて見てもらえるキャラクターなのかなと思います。
ーーこれまで小笠原さんは様々な作品に出演していますが、今回の役はアプローチの仕方は違ったのでしょうか?
僕自身、犯罪を犯した経験はないので、そこに至ってしまう人間の心理は綿密に話し合いながら作っていきました。演じていて心が追い込まれるようなしんどいシーンが多く、終わった後の疲弊感がすごかったですが、その分やりがいもとても大きいです。
ーー自分と近い役と遠い役、どちらが演じやすいですか?
どちらとも言えないですが、近いと共感しすぎてかなりしんどくなっちゃうので、離れてる役の方が精神的には少し楽かもしれないです。ただ僕、何をやっても結構引きずるんですよね(笑)。今回も引きずっているので、現場のあとには「トイ・ストーリー」みたいなカラフルで明るい映画を観るようにしていました。
ーーでは、今回は感情の起伏という面では小笠原さんから離れた役のように感じますが、どうアプローチしていったのでしょうか?
自分の信じたものに対して真っ直ぐだったり、それを本気で信じ抜いたりと性格の根っこの部分はとても似ているなと。ただ、そこから倫理観を超えて行動を起こすに至るまでのスイッチが僕には全くないので、そこは挑戦的なアプローチでしたね。
■「今後の自分のお芝居においても転機になった」
ーーその挑戦的なアプローチですが、具体的にどんなことをして丸井を作り上げていったのでしょうか?
植田(泰史)監督とかなり話し合いました。衣装合わせのタイミングで時間を作っていただき、1対1で2時間ぐらいがっつり本読みをして。「ここはこういう感情の動き方で」と僕の意見も聞きながら一緒に役を作り上げていきました。その時点で僕がちょっと泣いちゃったぐらい真摯に向き合ってくださって。「お金を払わないといけないぐらいのワークショップだな」って思うくらい(笑)、今後の自分のお芝居においてもある種、転機になったのかなと思っています。
ーー監督とじっくり役を作り上げていったのですね。共演者ともコミュニケーションはありますか?
福士さんも緒形(直人)さんも吉川(愛)さんも本当に皆さん優しくて、現場でご一緒するたびに新参者の僕を輪に迎え入れてくださっています。演じている時はしんどいんですけど、カットがかかって合間の時間になると、僕は永遠に皆さんとしゃべっているので(笑)。お芝居やグループの話、全く関係ないプライベートの話もさせていただいて。緒形さんとは直接会話するシーンはないのですが、現場では「草川くんとは長いの?」などと気さくに話しかけてくださって、やりやすい雰囲気を作ってくださり頼もしかったです。
ーーそんな方たちと一緒にお芝居をして感じたことはありますか?
僕は役柄的に取調室のマジックミラー越しに皆さんがお芝居しているのを見させていただくことがとても多いんですが、拝見していて「刑事側もやりたいな」という気持ちが強くなりました(笑)。ただ詰めるだけではなく、優しさが出たり厳しくいなきゃいけないという感情が揺れ動く、繊細な心の機微を感じて。キャスト・スタッフみんなで作り上げている感じも素敵で、僕自身もこの作品に貢献できたらなと日々思いが強くなりますね。
■「マイノリティから目を背けないように」
ーー本作では“情報”の価値と危うさが描かれていますが、小笠原さん自身が情報を発信・受け取る側として普段意識していることはありますか?
自分が発信するときは、受け取る側に齟齬が生まれないように気をつけています。たとえばライブで「来てくれた人、ありがとう」だと、来てくれていない人に「ありがとう」って言っていないことになるから、そういった“じゃない人”にも届けたいんです。マイノリティから目を背けないようにと強く意識してますね。
ーーそういった考え方、視野の広さは演じる上でも役立ちそうですね。
無意識に役立ってるのかもしれないですね。どちらかというと丸井は“じゃない側”の人間なので。目を向けられなかった人間が抱える悲しみとか苦しみへの理解は、丸井を演じる上で僕の中で根っこにあったかもしれないです。
ーー小笠原さん自身は普段どんな“情報”に興味を持って集めていますか?
服ですね。世界各国のコレクションを見るのが趣味で、とにかく服が好きなんです。グループの衣装をやらせてもらっているのもあるので、いつも情報収集をしています。
■「(役では)できるだけ自分をなくしたい」
ーー本作では警視庁内のそれぞれの意地やプライド、葛藤もメインで描かれていますが、小笠原さん自身は役者として何か大切にしているプライドはありますか?
できるだけ自分をなくしたいと思っています。いざ作品を見たときに「小笠原海だな」ってあまり思われないようなお芝居をしたいと常に心掛けています。それはずっと僕の課題ですね。
ーーなるほど。小笠原さんではなくその役自身として作品の中で生きたいのですね。では、最近葛藤したことはありますか?
このバッグを買うかどうか…ちょっと高いな…でもツアー頑張ったし買おっか、みたいな感じで葛藤しました。結局、買いました(笑)。
■「(超特急は)メンバーみんな気遣い屋」
ーー普段頑張ってる自分へのご褒美ですね。本作は事件捜査の裏で活躍する広報課が舞台ですが、超特急のメンバー間で世間には知られていない“裏の活躍”はありますか?
メンバーみんな気遣い屋で、見えないところでフォローし合っています。僕が去年舞台で2カ月ぐらいグループに参加できなかった時も、本当に支えてくれました。常にフォローし合おうという気持ちの温かさはメンバーそれぞれが持っているし、僕自身もそうありたいなと強く思っています。
ーーそのフォローというのは具体的にどういったことなのでしょうか?
リハーサルに行った時にユーキやリョウガがつきっきりで振りを教えてくれたり、アロハやシューヤ、タカシが言葉をかけてくれたりと、もちろんタクヤ、マサヒロ、ハルもですがそれぞれのアプローチの仕方があって面白いなと思います。
ーーやはりとても素敵なグループですね。最後に、本作の見どころをお願いします。
今までの刑事ドラマの「捜査して犯人を捕まえて解決」という展開に、「それをどう世の中に情報として出すか」という広報課の葛藤が挟まることで、作品にぐっと厚みや奥行きが増したのを感じました。いろんな背景が丁寧に描かれているからこそ、警察という組織にも犯人にも感情移入できるのがこの作品の強みだと思います。
今回のseason2は、丸井が引き起こす事件が世間を揺るがし、さらに大きなことにつながっていきます。僕を中心に皆さんを巻き込んで事件がどう解決に向かっていくのかを全力で楽しんでいただきたいです。地上波からの流れでそのままseason2がすぐ配信される新しい取り組みに参加できるのもワクワクしていますので、ぜひ思いっきり楽しんでください!
取材・構成・文=戸塚安友奈

