ギボ江さんは、年齢よりも若く見えるパワフルな60代女性。夫に先立たれた後も、趣味に自分磨きに忙しく過ごしています。
息子・オトヤさんが結婚したのは地味な顔立ちのヨーコさんでした。ギボ江さんは内心がっかりしますが、数年後、目鼻立ちがはっきりした孫のそらくんが誕生。そらくんのかわいさを自慢したくて仕方ないギボ江さんは、SNSにそらくんの写真を投稿し始めます。
しかし、祖母であるギボ江さんの投稿に対して否定的なコメントが寄せられるようになり、ギボ江さんは母親に成りすましてアカウントを再登録したのです。
ある日、そらくんに風邪症状があると知ったギボ江さんはインフルエンザと決めつけてSNSに投稿。その後、友人とのお茶会の様子を続けざまにアップしたことで、「子どもがインフルエンザなのに出歩く母親」とSNS上で「炎上」してしまいます。批判的なコメントに怒ったギボ江さんは、投稿を削除し、気に入らないアカウントをブロックしたのでした。
翌週、ヨーコさんが幼稚園のお迎えに行くと、先生から声を掛けられ……。
義母の成りすましが招いた混乱








そらくんの風邪症状について、「感染症ではなかったか」と先生から質問を受けたヨーコさん。
どうやら、幼稚園のポストに「インフルエンザにも関わらず登園している子がいる」と書かれた注意書きが入っていたようなのです。
先生たちは、先週お休みをしていた家庭に対し、対象の園児がいないかどうか聞き取り調査をしていたのでした。
今回の事態は、ギボ江さんのインフルエンザ投稿の「炎上」により、そらくんの幼稚園を特定した誰かが、幼稚園に対して注意喚起したものでしょう。
ギボ江さんが、真実を弁明しきらないまま投稿を削除してしまったことで、「子どもがインフルエンザだったことを隠している」とさらなる誤解を招いてしまったのです。
ギボ江さんの行動は、息子家族のみならず、孫の幼稚園にまで混乱を起こしています。ギボ江さんには「自分さえ良ければいい」とスマホの中の世界ばかりを見るのではなく、自分以外の多くの人に迷惑をかけていることに、早く気づいてほしいです。
そして私たちも、ギボ江さんのようになりすましはしないにしても、SNSに何気なく載せたもので人に迷惑をかけてしまうことがあるかもしれません。誰でも見られて気軽につながれるものだからこそ、SNSとはじょうずに付き合っていきたいものですね。
次の話を読む → 著者:マンガ家・イラストレーター あべかわ
