3. リビングに置ける収納グッズとギアボックス
キャンプ用品は本来、屋外で使うもの。しかし、収納スペースが限られているマンションでは、もはや「室内に置けるかどうか」がギア選びの基準になってくる。とはいえ、生活空間に無骨な道具がむき出しで並んでいると、どうしても雑多な印象は拭えない。
そこで活用したいのが、「インテリアとして成立する収納グッズ」や、「室内使用も想定されたギアボックス」だ。以下では、とくにリビングでの使用に適した製品を取り上げていく。
無印良品「頑丈収納ボックス」+ウッド天板でテーブル化

無印良品の「頑丈収納ボックス」は、キャンパーの定番アイテムとして知られる収納ギアだが、じつは室内でも非常に使いやすい。白を基調とした落ち着いたデザインは部屋に自然と溶け込みやすく、重ねて使用することもできる。
さらに注目したいのは、DIYでウッド天板を載せて「ローテーブル化」する活用法だ。ソファ前のテーブルとして使いながら、内部には焚き火台やライト類、調理器具などを収納可能。こうした二役を持つアイテムこそ、マンション収納の最適解といえる。
スノーピーク「シェルフコンテナ」― 見せても映えるギア収納

スノーピークの「シェルフコンテナ」は、収納ギアでありながら家具的存在感を持つ逸品だ。スチールの無骨さと天然木の組み合わせが美しく、収納時にはボックスとして、展開すれば棚として使えるという構造もユニークである。
見た目にも優れており、部屋に置いてあっても生活感が出にくい。お気に入りのギアを「隠す」のではなく、「飾る」という発想で収納したい人にとって、理想的なプロダクトだ。
フェローズ「バンカーズボックス」― 軽量ギアのラベル収納に最適

キャンプギアの中には、ペグや小型ランタン、ロープ、カトラリー類など、細々とした道具も多い。これらをきちんと分類して収納するのに役立つのが、フェローズの「バンカーズボックス」シリーズだ。
書類収納用として知られるこの製品は、軽くて扱いやすく、デザインもシンプル。ラベルスペースがあるため、中に何を入れたか一目でわかり、棚に並べても統一感が出る。クローゼットやシェルフにぴったり収まる規格サイズも多く、ギア収納を視覚的にも整理したい人におすすめだ。
4. まとめ/「しまう」ではなく「使いながら隠す」発想を
収納というと、多くの人は「見えないところに片づける」ことを思い浮かべるだろう。しかし、マンションのように限られた空間では、その発想自体を見直す必要がある。むしろ重要なのは、「収納をインテリアの一部として使いながら隠す」ことだ。
結果として、収納は「しまい込む」行為ではなく、「暮らしに組み込む」ことになる。これは、マンションという制約の中でキャンプを楽しむ人にとって、単なる整理整頓以上の意味を持つ。ギアをすぐに取り出せる、でも部屋はごちゃつかない──そんな矛盾を解決するためにこそ、「使いながら隠す」という考え方が求められている。

