
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画『使い切った消しゴムに求婚される話』を紹介する。作者の成神じゅんさんが、9月2日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4.9万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、成神じゅんさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■少女の前に現れた消しゴムの“神様”

七沢りんの前に突然現れた少年は、いきなり彼女に求婚する。彼は自分のことを“りんが使い切った消しゴムの神様”と説明し、その証拠に腕には彼女が恋のおまじないで消しゴムに書いた“大輔”の文字が。“輔”の字に1本線が多いのを見て間違いなく自分の字だと確信したりんは、納得しながらも彼からの求婚を断った。
しかし翌日学校に行くと、彼は転校生・伊礼真白として再びりんの前に現れる。混乱する彼女に周囲の人間から違和感を“消した”と告げ、真白は変わらずりんへのアプローチを続けていく。真白への想いとクラスメイト・大輔への想いで揺れるりんだったが…。
この消しゴムの神様が現れる話を読んだ人たちからは、「幸せで涙が止まらない」「最高の擬人化」「純愛漫画過ぎる」「これから必死で使い切ろう」など、多くのコメントが寄せられている。
■「自分が描きたいものを最後まで形にしてみよう」作者・成神じゅんさんに漫画創作へのこだわりをインタビュー

――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
このお話を描こうと思ったきっかけは、もともとまったく別の作品を2月頃からいくつかの出版社に持ち込んでいたことでした。なかなか担当編集の方に出会えなかったのですが、5月の持ち込みで、ある編集さんが興味を示してくださいました。そして「新しく恋愛ものを考えてみては?」と提案をいただいたのです。そこで私は考えた末に、「現代版鶴の恩返し」にイケメンやラブコメディの要素を掛け合わせ、さらに学校生活の身近なアイテムである文房具を題材にしてみようと思いつきました。その中でも、擬人化した時に衣装映えがしそうな“消しゴム”を相手役に選び、ラブコメディを描こうと考えました。ただ、このアイデアを読み切り企画としてお伝えしたところ、編集さんからは「設定が読者にとって遠く、感情移入がしづらい」「疑問が先に立ってしまい、難易度が高い」とご指摘いただきました。代わりに「消しゴムを拾ってくれた男の子に恋をするくらいの方が分かりやすいのでは」とアドバイスをいただいたのですが、私自身はそれでは少し特徴が薄く感じました。その時ふと「誰かのためでなく、自分のために描いてみてもいいのでは?」と気づいたのです。そこで難しさは一旦脇に置き、自分が描きたいものを最後まで形にしてみよう、と決めました。
――本作では、使い切った消しゴムが神として現れ、そして消しゴムだからこその力を使うようすが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
こだわったポイントは『消す』の活用方法です。消すことは真白のアイデンティティなので、消し切りからりんを見初めて消しで活躍しみんなの記憶を消して去る…ただのイケメンになってしまわないように、作中でなるべく能力を絡める場を設けるように気をつけました。注目してほしいポイントは、真白が悪い穢れを消しているシーンで、消すだけでなく、握りつぶし伏目で怒りを表している部分です。当初のりんへの神様的だった飄々とした好意が、より人らしい怒りを伴った感情に変化しています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
大輔とりんが仲良く話す姿を見てからりんの手を引っ張り黒板を消して見せ、『俺の方が役に立つ』といい放つシーンと、終盤の『ふーん 絶対俺の方が消しやすいけどね』の部分です。それまでの、りんをリードしたり紳士でいようとする真白からほんのり垣間見える、真白の本来の性格であったりだとか、少し子どもっぽさが出ているところが気に入っています。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
よくネタを考える時、「もしも…という形で」「意外性とコメディを切り口に」「自分が読みたくなり」「かつ楽しくなりそうなネタ」を頭の中で四六時中考えています。『もし〇〇がこうだったら?』一見あり得なさそうな状況からスタートしていきます。今回の場合は、もし大事にしていた物が後日イケメンになって尋ねてきたら?きっと神様が、見ていてくれたからに違いない…では、もしその神様との恋が成就したら…?などといった感じです。
――今後の展望や目標をお教えください。
『使い切った消しゴムに求婚される話』が創作読み切りの第1作目でした。この作品を皮切りに、また新たな読み切り作品を定期的に発表/連載していく予定です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
この度は『使い切った消しゴムに求婚される話』を多くの方に読んでいただけて、大変光栄な限りです。現在、新たな読切を誠意製作中で秋ごろ公開予定ですので、是非楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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