
爆笑問題の太田光がMCを務める「太田光のテレビの向こうで」(BSフジ)。5月3日(日)夜6時からの放送では、宮藤官九郎と「テレビのその先」を語り合う。
■「時代の難しさ」でうなずきあう2人
30年ほど前、グループ魂の一員として爆笑問題の所属事務所ライブに出演したことがきっかけで出会った工藤と太田。それ以来お互いの動向を気にかけつつも、落ち着いて話す機会は今回が初めてだという。照れたようにテーブルに向き合った。
宮藤脚本のヒット作「不適切にもほどがある!」に話が及ぶと、単なるコンプライアンスの問題にとどまらない、ドラマや漫才に共通する“時代の難しさ”があると語る。
ともに大ファンだったあるラジオ番組をめぐっては、その受け止め方の違いが“それぞれの人生の分岐点だったのかもしれない”と深くうなずき合う。歩む道は異なっていても、テレビとラジオを愛し続ける2人。謙遜し合い、笑い合いながらの対話が繰り広げられる。
■2人だからこそ始められるコント番組の構想
爆笑問題の太田光と脚本家・演出家の宮藤官九郎が、初めて腰を据えて語り合った。共に日本大学藝術学部(日芸)出身という共通点を持ちながら、じっくりと向き合う機会はこれまで多くはなかったという2人。対談後にはそれぞれが相手への理解を新たにして、“いつか”のコント番組実現へ向けた思いを語った。
対談を終えた宮藤は、「楽しかったです」と率直な感想を述べる。太田とは会うたびに「YouTubeをやろう」と声をかけられてきたものの、正式な形でのオファーには至っていなかったのだとか。「だからちゃんと書いて持っていかなきゃいけないんでしょうね。そうなると、結構先になるなという感じはしますけど」と笑いながら、「一緒に何か作れたらいいですよね。本当に」と前向きな思いをにじませる。
また今回の対話を通して、太田が自身の仕事をどう見てきたのかが伝わってきたという。「大学の後輩ですし、正直、面白くないと思われていてもおかしくない存在だろうな、と思っていたんです。でも、自分がやっているメインの仕事も、そうじゃないものも、同じように理解してくれていたんだなと感じました」。太田の姿勢についても「あれだけ本も読んで、テレビも見て、情報が入ってきているのに、なお『まだやりたい』という欲がある。素晴らしいですし、頼もしい先輩だなと思います」と、強い敬意を示した。
さらに「もし将来、2人でコント番組を作るとしたら――」と問われた宮藤は、「『テレビでやっていいのか、これ?』というようなものを、あえてテレビでやる、というのはやってみたい」と語る。爆笑問題の2人は60代になり、宮藤自身も50代後半。「そういう大人が作って、大人が見るコントがあってもいいと思うんです。ドラマではなくて、ちゃんとしたコントをやってみたい」。今のテレビでは希少になりつつある、“本気のコント番組”への意欲がうかがわせる。
■太田光「うらやましさと共感があった」
一方の太田も、「とても楽しかったですね」と対談を振り返る。これまでも断片的に話す機会はあったものの、「ここまで2人で深く話すことはなかった」と充実した時間だったと感じ入っていた。
宮藤については、「やりたいことをやって、トントン拍子でうまくいっている印象があって、正直うらやましかった」と本音を明かす。しかし、じっくり話す中「できなかったこと、やれなかったこと」を多く抱えていることがわかると、「やっぱりクリエイターなんだな、と感じました」と語る。
日芸出身というバックグラウンドについても、「見てきたものや、憧れている先が似ている」と太田。ただしその進み方は対照的だという。「僕はどうしても、どメジャーな王道を目指してしまう。でも、そういうタイプだと王道にはなれないのかもしれない。逆に、そこを狙っていない人の方が、真ん中でドンと当てられるのかなと思って、そこも含めてうらやましかったですね」と心境を告白した。
また宮藤の言う“大人が見るコント”という構想について、「ぜひやりたい」と前向きな太田。宮藤が「今のテレビに窮屈さを感じている」ことにも共感を示し、「『オワコン』『オールドメディア』と言われ続けている、という話で終わるんじゃなくて、『じゃあ、やろうよ』というところまで行きたい」と話す。
実現時期は未定ながら、世代も立場も異なる2人が見据えるのは、テレビの未来そのものだ。“次は作品で語る”――そんな日が訪れることを、期待せずにはいられない。

