●どんな「証拠」が必要?
騒音トラブルで法的な解決を目指す場合、客観的な証拠が重要です。
裁判では、単に「うるさい」と主張するだけでは不十分で、「どれくらいうるさいか」「どのような音が」「いつ、どれくらいの時間」発生しているかを具体的に示す必要があります。
具体的な証拠としては、以下のようなものが考えられます。
騒音測定の結果:
専門業者に依頼して騒音を測定してもらうのが正確です。費用はかかりますが、客観的な数値として提出できるため、裁判における証拠能力が高くなります。
自分で計測して記録する場合、自治体が、無償で騒音計の貸し出しを行っている場合もありますので、問い合わせてみるのも良いでしょう。
なお、貸し出しを行っている市町村では、「参考値です」「証明には使えません」などと言われることもあります。しかし、このような記載があるからといって直ちに裁判の証拠として使用できないわけではありません。
騒音の記録:
日記やノートに、騒音が発生した日時、音の種類、継続時間、体調への影響などを詳細に記録しておきます。これを継続的に記録することで、騒音の状況を具体的に示すことができます。
録音・録画:
ICレコーダーやスマートフォンの録音機能、ビデオカメラを使って騒音を記録しておくことも有効です。ただし、これらは絶対的な騒音レベルを示すものではないため、どのような音か、その騒音によってどのような状況になっているかを示す補助的な証拠として用いることができます。
●騒音被害にどう対応すべきか
騒音問題は、生活音が原因となっていることがほとんどであることから、音をなくすという根本的な解決がしにくい難問です。
「騒音問題の一番の解決法は、騒音を出している家族と仲良くなること」と言われています。
たとえば子どもの騒ぐ音がする場合、それが知り合いの●●ちゃんでいつも仲良くしている場合、不思議と許せたりするものですが、あまり仲良くない家庭の子どもの場合には、相談者の家に配慮していないということへの怒りも相まって非常に不快に感じたりします。
そうはいっても、うるさいものはうるさい、と思う方も多いでしょう。法的な対応を検討する場合、いきなり訴訟に踏み切るのではなく、段階的な対応を考えることが一般的です。
証拠収集:
まずは、騒音の状況を日記などに詳細に記録することから始めましょう。可能であれば、ICレコーダーや騒音計を使って騒音を記録します。
管理会社や大家への相談:分譲マンションであれば管理組合、賃貸であれば管理会社や大家に相談し、騒音問題への対応を依頼します。
内容証明郵便:
それでも改善が見られない場合、弁護士に依頼して内容証明郵便を送付し、法的な措置を検討していることを示すことで、相手の態度が変わる可能性もあります。
調停や訴訟:
話し合いや書面での交渉でも解決しない場合、裁判所での調停や訴訟を検討します。調停は比較的簡易な手続きで、専門家を交えて話し合いで解決を図る方法です。訴訟に踏み切る場合は、損害賠償請求や差止請求を求めることになります。
騒音問題は、当事者間での感情的な対立に発展しやすく、解決が難しいケースも少なくありません。
法的な対応を検討する際は、客観的な証拠をしっかり集め、冷静に臨むことが重要です。

