糖尿病の重大な合併症である「糖尿病網膜症」は、場合によっては失明することもあります。そのため、糖尿病患者は定期的な眼科検診が不可欠です。糖尿病患者が眼科検診を受ける際の注意点はあるのでしょうか。「秋野眼科医院」の秋野先生に詳しく教えていただきました。

監修医師:
秋野 邦彦(秋野眼科医院)
東京医科大学卒業。その後、慶應義塾大学医学部眼科学教室、埼玉メディカルセンター、済生会中央病院などで眼科医として経験を積む。2025年1月より、東京都豊島区に位置する「秋野眼科医院」の副院長に就任。日本眼科学会専門医、日本パラスポーツ協会認定医。日本網膜硝子体学会、日本糖尿病眼学会、東京都眼科医会、日本ロービジョン学会、日本盲導犬協会、日本視覚障害者柔道連盟の各会員。
編集部
眼科検診を受ける頻度はどれくらいですか?
秋野先生
現在の状況により異なりますが、糖尿病網膜症を発症していない人の場合は、年に1~2回を目安に検診を受けることをおすすめします。「単純糖尿病網膜症」と呼ばれる網膜の毛細血管が弱くなり始めた状態の人は、年2〜4回を目安に受けるといいでしょう。血糖値の値によっては、もう少しこまめな通院をお願いすることもあります。
編集部
眼科検診を受ける際の注意点はありますか?
秋野先生
眼科検査を受けるときには、糖尿病手帳を持参するようにしましょう。糖尿病手帳には内科医と眼科医の両方が記入することができるので、両科で連携がとりやすくなります。手帳はかかりつけの医療機関でもらえるので、もし持っていない場合には医師に相談してみましょう。
編集部
ほかにも気をつけることはありますか?
秋野先生
眼底検査では瞳孔を開く目薬を使用することが多いため、車の運転や仕事に支障が出ない日を選んで検査を受けるようにしましょう。
編集部
日常で気をつけることはありますか?
秋野先生
糖尿病網膜症を発症させないためにも、日頃の血糖コントロールが重要です。「糖尿病の薬を飲んでいるから大丈夫」と油断せず、食事や運動などの日常的な生活習慣の改善を心がけましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
秋野先生
未治療の糖尿病でも、約10年間は糖尿病網膜症を発症しないとされていますが、特に30~40代は一度発症すると進行が早いとされています。病期が進行すると治療を開始しても元通りの視力には戻らないことも多く、後遺症が残ってしまうこともあります。そのため、できるだけ早期に発見し、進行を抑制することが重要です。年1回程度、人間ドックなど全身の健康診断を受けるのと同様に、眼科検診も年1回受けるようにしてください。
※この記事はメディカルドックにて<眼科検診を受ける際の注意点>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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