
「偶然見つけたハル」(2019年)や「恋慕」(2021年)の人気俳優・ロウンの最新主演作「濁流」第4、5話が、10月3日に配信された。ならず者の一団にしぶしぶ加わるも、自分のやり方を曲げないチャン・シユル(ロウン)。ならず者の頭領・ドクケ(チェ・ヨンウ)と繰り広げた激しい決闘シーンに、視聴者から驚きの声が上がった。(以下、ネタバレがあります)
■自分のやり方を貫き始めるシユル
「濁流」は、ディズニープラス初のオリジナル韓国時代劇ドラマシリーズ。舞台は、青く澄んだ美しい景観から“無法地帯”へと変わり果てた京江(キョンガン)。その物資が集まる渡し場・麻浦(マポ)で、かつては同じ夢を見た幼なじみ、シユルとチョン・チョン(パク・ソハム)が異なる道を歩んだ末に再会し、激動の運命を歩き出す姿を描く。
第3話までで、ならず者のムドク(パク・ジファン)に過去を知られ、それをネタに脅されてムドクの手下となったシユル。不本意にもチェ・ウン(シン・イェウン)の事業を妨害することとなり、彼女と対立してしまうが、4話からはシユルが自分のやり方を貫き、ムドクたちならず者一団との関係が変化していった。
■シユルの思い「まずは人間として扱うべき」
4話では、ムドクに小突かれながらも労働者たちにこれまでよりも多くの労賃を渡し、「まずは人間として扱うべきです」と主張。労働者たちに温かいまなざしを向け、仲間との距離も徐々に縮まっていく。ムドクの子分の中でもケンカに負けてばかりのマルボク(アン・スンギュン)に頼まれてケンカの仕方を教え、マルボクの敵討ちに立ち会ってやった。
一方、シユルの強さに目を付けた頭領・ドクケがシユルを取り込もうと「酒を飲ませてやる」と誘うがシユルは拒否。5話では、面目を潰されたドクケが「おまえをたたきのめし、秩序を正さねばならん」と、羽織を脱いでシユルとタイマン勝負する展開が描かれた。

■シユルとドクケ、真正面から激突!
4話まででシユルの腕っぷしの強さやケンカに慣れている様子が分かるシーンが登場したが、ドクケとの決闘シーンの気迫は段違い。虐げられる労働者の苦しみやムドク一派の本来の温かさ、そして、この戦いの結果が麻浦の秩序を変えることになるということも分かった上で、シユルはドクケと向き合った。
対するドクケにも、その拳で麻浦を掌握してきた自負がある。互いに、身を交わしたり相手の不意を突くといった小手先の動きは一切見せない1対1の真剣勝負。相手から放たれる重い拳を真正面に受け、耐えて相手の顔面に重い拳を打ち込む。「しっかりした拳だな。どこで学んだ?」と問い掛けるドクケに、シユルは「口数が多い」とだけ答えて再び真正面にぶつかっていく。
190cmのロウン演じる巨人のようなシユルの気迫も強烈だが、ならず者たちを統べる頭領・ドクケも圧巻の貫禄。演じるヨンウは「恋人~あの日聞いた花の咲く音~」(2023年)で清の将軍・イングルダイを堂々たる存在感で演じ、「2023MBC演技大賞」で助演賞を獲得した実力派だ。巨人のようなシユルを投げ飛ばし、最後の力を振り絞って強烈な一発を打ち込んだ。
■荒々しさの中にのぞく愛嬌も抜群!
激闘の末、頭や口から血を流し、白目をむいて倒れたロウン。演技とは思えないそのリアルさに、視聴者からは「汚れたロウンがすごい。これは本当に新境地」「決闘シーンの殴り合いがリアル過ぎ!」「アクションが生々しくて演じている感じがしない」の声が飛んだ。
一方で、ケンカのシーン以外では少しずつシユルに笑顔のような柔らかい表情ものぞき始めた。ムドクや手下たちに「ここではもっと乱暴に話すべきだ。時には罵ったりしてさ」と言われ、口調をまねするものの「うまく言えない」と苦笑いしてみせたり、マルボクがケンカ相手の急所をたたこうとした瞬間、痛そうに口を押さえたり…。
別人のような荒々しさでならず者を演じるロウンだが、隠し切れないチャーミングな表情には「荒々しいのにふとかわいくなるの困る!」「分かるか分からないかくらいうっすらほほ笑んでるシユルをずっと見ていたい」の声が上がっていた。
「濁流」(全9話)は、ディズニープラスのスターで毎週金曜に2話ずつ配信。ドクケとの対決を経て、麻浦の秩序が転換期を迎えた第4、5話。続く第6話からは、シユルとムドクが麻浦に新たな秩序をもたらすことになりそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

