令和ロマン・くるまが見せた新たな才能 人生初の海外で発揮した世界と渡り合う「受容力」

令和ロマン・くるまが見せた新たな才能 人生初の海外で発揮した世界と渡り合う「受容力」

  「世界の果てに、くるま置いてきた」
「世界の果てに、くるま置いてきた」 / (C)AbemaTV,Inc.

仕事は完璧でも他はあんまり…といった謙遜をする意味で、自分自身を「M-1しかできない男」と語る芸人がいる。お笑いコンビ・令和ロマンのボケ担当、くるまだ。現在、バラエティー番組『世界の果てに、○○置いてきた』シリーズ第3弾「世界の果てに、くるま置いてきた」(毎週日曜夜9時より、ABEMA SPECIAL2チャンネルにて放送)に出演している。バングラデシュ南端の孤島から出発し、ブータンの王宮を目指す過酷な旅に挑むくるまは、人生初海外だという。あくまで素に近い姿を見せるくるまからは、旅や人生に必要な“受容力”というスキルがたくさん感じられるので紹介していこう。

■M-1連覇からの活動自粛、コンビ再開という怒とうの芸人人生
 「世界の果てに、くるま置いてきた」
「世界の果てに、くるま置いてきた」 / (C)AbemaTV,Inc.

令和ロマンは、くるまとツッコミ担当の松井ケムリによる2人組コンビ。慶応大学のお笑いサークルで出会い、「魔人無骨」というコンビ名で2018年にデビュー。しかし「悪い意味の読みづらい漢字が“いつか必ずマイナスに働く”」と感じたため、2019年、新元号施行と同時に5月1日より改名した。日本一面白い漫才師を決める「M-1グランプリ」で2023、24年と優勝して史上初の連覇を達成した。その偉業を成し遂げた令和ロマンから出た「M-1しかできない」の言葉ならば、“猿も木から落ちる”的な意味であろう。得意なものは「M-1」だけ。令和ロマンというコンビは、そんなキザなセリフがさまになってしまうスタイリッシュさがある。

1994年9月3日生まれのくるまは、現在31歳。トークの上手さと頭の回転の良さは漫才以外でも十分に発揮される。“令和”の名を背負う芸人だけにどこか常に冷静で、慌てることのない余裕を感じ、新時代の芸人味がある。しかし、2025年2月にオンラインカジノ賭博をした疑いで、自身もSNSでそれを認め、当面の芸能活動の自粛を発表した。その後、吉本興業とのマネジメント契約が終了したが、令和ロマンの解散はなく、ケムリとのコンビは続行している。その自由で我が道を行くスタイルも、特に若い世代から支持を得ている。Xのフォロワー数は42.5万を超え、その人気に影響はあまり無いようだ。
■スマホで現地語を検索してガンガン話しかける
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くるまは「生意気だ」とか「スカしてる」などと、誤解されやすい芸風でもある。「テレビに出ない」などという発言が切り取られたり、高学歴芸人と揶揄されることも。しかし、「しくじり先生 俺みたいになるな!!」に出演した際、大学時代にフジテレビで6年間アルバイトをしていた経験を告白し、けっしてテレビを嫌いなわけではないことを語った。例えば、バラエティー番組の収録の際に、“はりぼてのクリエイティブ感を出しつつ中身の薄い仕事をするディレクター”に苦言を呈したりする姿を見るに、くるまは情熱を持たずにテキトーな仕事をする人間を見抜いてしまうだけなのだろう。とにかく物分かりが良く、現状を俯瞰して見ることができる人。だからこそ誤解を生むこともあるだろうが、誰彼構わず刃を向けるような乱暴なことはしないので信頼できる。

その証拠に「世界の果てに、くるま置いてきた」で見せる素の姿は、現地の人の暮らしに敬意を払った丁寧な振る舞いが目立つ。#1で、バングラデシュの孤島にディレクターと共に置き去りになったくるまは、ぬかるみの続く道なき道を進み、腰まで浸かるほどの茶色く濁った川を渡らなくてはならなくなった。おろしたての靴や服が一気に汚れて心が折れてしまっても仕方ない状況で、くるまはスマホでベンガル語を検索しながら現地の人と交流をしていく。「ドンノバード!(ありがとう)」、「モジャ!(おいしい、やばい、楽しい)」と元気に話しかけて続々と人気者になっていく様子はあっぱれだ。約30人はいる若者を引き連れ、村の食堂に入りごはんを食べるたくましさは、日本にいたら見られない姿。くるまが現地の人に習い、手でごはんをガツガツ食べながら「モジャ!」と言えば、若者たちも皆「モジャー!」と復唱する。まるでライブ会場のような盛り上がりを見せた。

■外国のホテルあるある「水圧はお察し」
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さらに、くるまは瞬時に現状を切り取る言葉選びが秀逸。例えば、長距離を移動しながらの旅になるため、現地の方のバイクや船に乗せてもらう機会が多いわけだが、「ケツが爆発しそう」なくらいの険しい道をバイクで二人乗りさせてもらい運賃を払う。その際、乗ってすぐに「500タカ(日本だと685円)」と言っていたのが、降りた後は「600タカ(約820円)」とぼったくりを疑うような謎理論をふっかけられてしまうことも。外国人だから、と押し切られそうになり帯同ディレクターは「今までチップなんてなかった」と言ったが、くるまは「この人は(チップの概念が)あるんでしょうね。しょうがないか、おれ外国人だからな」とあっさり支払った。

その後も、良いホテルなのにシャワーの出がイマイチなのを見たくるまは「水圧はお察し」と言ったり、ひっくり返ったゴキブリと遭遇したときには「おつかれっすって感じだな、ゴメンね」と後から来た自分がお邪魔しているという姿勢を崩さなかった。どんな状況にいても、まずはそこでの常識や暮らしを一旦、受け入れる“受容力”を持っている。

■「それぞれの暮らし」を尊重する姿が好印象
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爆速で逆走するタクシーを見ても、食べ物を注文して思ってたのと違う物が出てきたとしてもくるまが愚痴ったり文句を言う様子はほぼない。「それぞれの暮らしだから」と自分と異なる生活を送る人をあくまでフラットで見詰めている。#2の時点で「何も変わらない、日本と」と言ってのけたくるま。「世界をナメてないから、おれ」と。

環境が普段とまるで異なる旅の途中でも、現地で生きる人へ敬意を払いつつ自分の中に流れる時間や気持ちを大事にしていることが分かる。くるまの賢さを感じる場面が何度もあったが、バスで靴を忘れて失くしてしまったり、朝の集合時間に平気な顔して遅刻してきたり、お酒NGの国でどうしても飲みたいビールを求めてさまよい続けるなど、ダメな面も漏れ出てしまうのが旅番組の面白さだ。M-1で念願の連覇優勝をしてから目標を見失った時期があるというくるま。活動自粛の後でちょうどこの番組の話が来たという思い入れもあるようで、旅を終えるころに彼がどんな発言をするようになるのか見届けたくなる番組だ。

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