
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、カドコミで連載中の、花守さんが描く『いろはの書き導べ-灯影の路-』より第1話をピックアップ。本作は『いろはの書き導べ -雪解の路-』(KADOKAWA刊)の続編となる。
花守さんが3月9日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、花守さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■影を探す女の妖

妖力を持つ少年・唯壱(ゆいち)は、亡くなった師匠の手記を探すため、猫の妖である咲(しょう)や牡丹の妖・紅乃(くれの)、獅子の妖・獅暉(しき)と共に旅をしていた。一行は灯の町 百灯泉(ももといずみ)に到着。町は百燈祭(ひゃくとうさい)が近いことから活気にあふれていた。
盛況な百灯泉では、最近家事が頻発。そんな中唯壱と咲は、とある火事現場付近で女性の妖を目撃する。その後、再び別の場所で家事が起きたことを聞きつけ、二人は現場へ。すると、先ほど見かけた女の妖が涙を流しながらたたずんでいた。
唯壱の火の技により静まった女の妖“百燈様”。「影がいない」と涙を流し、悩みを打ち明ける彼女を見て、唯壱たちはその影を探すことになるのだった…。
作品を読んだ読者からは、「今回はどんな旅なんだろうとワクワクがとまりません」「また続きを拝読できるとは!」「背景や小物なども全てが綺麗」など、反響の声が多く寄せられている。
■作者・花守さん「設定はできるだけ詳しく考えるように…」

――『いろはの書き導べ』は、人と妖が登場する物語ですが、主人公の唯壱をはじめとする登場キャラクターたちは、それぞれどのように生み出されたのでしょうか。
唯壱は旅をする主人公なので、旅の中で出会う色々なものに対して繊細に反応したり成長できるようなキャラクターだと良いなと考えました。
妖たちについてはそれぞれ元になっている物品・動物・植物などが持つイメージから連想して、作中でどのような役割を持たせるかを先に決める事が多いです。
例えば咲は猫の妖なので、そっと人に寄り添うイメージ、気ままなようでそばにいてくれる存在です。
往陽は八咫烏が道案内をしたという言い伝えから連想して、そのような役割を担うキャラクターにしようと考えました。
獅子の獅暉は邪気を払う存在、牡丹の紅乃は癒す存在…
大まかなイメージや役割を決めた状態で、そこから各キャラクターにまつわる背景エピソードや性格などを想像して膨らませています。
――本作の世界観を創り出すために、特に心がけていることがあればお教えください。
各キャラクターの背景的な部分や、妖・術・組織などの設定はできるだけ詳しく考えるようにしています。
例えば今回の第1話に出てくるものだと“鬼灯の妖”(唯壱が刀と共に使っていた火を出す妖)については、鬼灯(植物)でありながら火の術が使える理由や、鬼灯の妖と一路葉が出会ったときのエピソードなどもあるのですが…
自分の中で設定や背景を作り込んでも、実際に漫画の中で全てを伝えられるわけではないので、どのようなシーン・台詞にすれば必要な情報を自然に読んでもらえるだろう…と、悩みながら描いています。
――『いろはの書き導べ-灯影の路-』第1話のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
第1話の中では唯壱が飴細工の鬼灯を見つけて、師匠の一路葉との会話を思い出すシーンが気に入っています。
唯壱は一路葉の遺した手記を探すために旅をしていますが、その途中の寄り道にもこんな風に、唯壱にとって“大切な拾いもの”がたくさんあれば良いなと…
引きこもりがちで外の世界に積極的に触れてこなかった唯壱が、旅の中で“師匠から聞いたことがあるもの”“実はいつか見てみたいと思っていた景色”に出会えることを、一路葉も喜んでいるんじゃないかと思います。
――本作の中に登場する妖の中で、花守さんが特にお気に入りの妖はどれでしょうか?理由と共にお教えください。
どの妖もそれぞれ気に入ってる部分がありますが、ひとり選ぶなら咲をあげたいと思います。
程よい距離で唯壱を見守り、手を貸したり背中を押したりする存在でありながら、ふと魚を求めて寄り道したり二日酔いで休みたがったりする気ままなところが良いです。
特大サイズから普通サイズまでの猫の姿を見せてくれるところも。ぜひ実在してほしい妖です。
――本作の投稿には続きがありますが、以降の見どころや注目してほしいポイントなどをお教えください。
このあと唯壱たちは百灯泉の町で影の妖を探すことになります。その過程の出来事や影の妖という存在も、唯壱にとって一つ一つ大切な出会いになっていきます。
咲が唯壱のそばにいて共に旅をする理由や師匠の一路葉の過去についてなども明かされていきますので、ぜひ注目してもらえると嬉しいです。
――最後に読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
前作「いろはの書き導べ-雪解の路-」に引き続き、本作「いろはの書き導べ-灯影の路-」をお読みいただきありがとうございます。
作品やキャラクターにいただく温かいお言葉を本当に嬉しく思っています。
灯の町を巡る唯壱たちの今回の旅を、少しでも楽しんでいただけますように。

