
■新しいワインカクテルの世界
ワインをベースに副材料をデキャンタに注ぎ、手首でくるくると回したあと、アイスボールを入れたワイングラスに注ぐと、柑橘の香りを思わせる淡い黄色が広がっていく。
「これは“スワリング”という技法です。ワインを使ったカクテルは、氷を入れて加水すると、ワイン本来の味わいが感じにくくなってしまいます。そこで今回は、あえて氷を使わず、でもしっかり混ざり合うように、2種類ともこの方法を採用しています」そう語るのは、アリビアーモのバーテンダー・滝川さんだ。


デキャンタの内部が研磨されていて、研磨の目に沿って回すと味わいが柔らかく、逆に回すと個性が際立つという特性があり、イメージする味に合わせて回す方向や回数も計算されているのだそうだ。
こうしてカウンターに並んだのが、今回アリビアーモに新しく登場するこの2つのカクテル。24年11月から提供している平川ワイナリーの白ワインとロゼワインが主役だ。

●ブラン ド ヨイチ キュベ ガストロノミック シンフォニー ジャスミン(2500円)
※「TEAVANA(TM) ジャスミン ドラゴン パール」を使用。

白ワイン「Blanc de Yoichi Cuvée Gastronomique (ブラン・ド・ヨイチ キュベ・ガストロノミック)」をベースに、ティバーナのティー・ジャスミン ドラゴン パールの華やかな香りを合わせ、果実味豊かなリンゴジュースを加えたカクテル。
リンゴの柔らかな甘味とさわやかなティーが香るあと味のスッキリした一杯で、“キュベ ガストロノミック=料理に合わせるワイン”というコンセプトを大切に、プリンチのフードとのペアリングにもぴったりだ。
●ロゼ ド ヨイチ キュベ ガストロノミック シンフォニー ライムエード(2500円)
※「TEAVANA ラズベリー ライムエード」 を使用。

ロゼワイン「Rosé de Yoichi Cuvée Gastronomique (ロゼ・ド・ヨイチ キュベ・ガストロノミック)」をベースに、ベリーやオレンジが香るティバーナのティー・ラズベリー ライムエードを合わせ、コールド ブリュー コーヒーをフロートした美しい2層のカクテル。ロースタリー東京のロゴマークが刻印されたアイスキューブが、仕上がりのポイントだ。ワイン、ティー、コーヒーの香りが層になって広がり一体化する、唯一無二の味わいで、添えられたレーズンをつまみながら飲むのもいい。これ一杯をデザートカクテルとして楽しむのもおすすめだ。
■平川さんの想いをつなぐカクテルを
今回のカクテルを開発するにあたり、大切にしてきたことが大きく2つある。ひとつは、平川ワイナリーのワインが持つ世界観を大切にすること。

リキュールのように副材料で味を重ねていくものとは異なり、ワインはそれ単体でバランスが整った、いわば完成されたドリンク。だからこそ、カクテルの開発は難しかったと滝川さんは言う。
「平川さんが大切にしている想いを、何かを混ぜることで壊さないよう、ワインを最大限に生かせる副材料でなくてはいけません」試行錯誤の中で思い浮かべていたのは、前年の2025年10月に平川ワイナリーを訪れた時の経験だ。
アリビアーモのバーテンダー5名でブドウの収穫を手伝い、平川さんから直接、土地の土や気候、ブドウなどに対する想いなどを伺ったそう。時につまみ食いをしながら、ぶどう棚で摘み取りをし、収穫後は平川さんとともに青空の下でワインを傾けたという。

「平川さんが『この場所こそ最高のテロワールだ』と選び抜いた土地。土やブドウ、雪が降りそうな冷たい空気…それらの香りや情景を思い浮かべながら、それぞれのワインに寄り添う副材料を考えました。
例えば白ワインならグレープフルーツのようなニュアンス…個々のワインが持つイメージが崩れないように意識して仕上げました」
特に白ワインのカクテルは難しかったそうだ。「旨味を出す方向で試作もしましたが、どうもなじまなくて。その時、キュベ ガストロノミックという名前の意味が腑に落ちました。料理と合わせて口の中で完成するワインだから、カクテルにするときは旨味を足す必要がないと気づいたんです。その発見は面白かったですね」

でき上がったカクテルを実際に平川さんに飲んでもらった際には、とてもうれしい言葉をいただいたと振り返る。
「『あの農園の土地では、以前はリンゴがつくられていたんだよね。全部がひとつの線になったね』と言われて、それを知らずに白ワインのカクテルにリンゴジュースを使っていたのでとても驚きました。感じていたことがシンクロしたと、鳥肌が立つくらいうれしかったです」
平川ワイナリーの土地の持つストーリーと、滝川さんが感じ大切にした想いが一致した、ワインカクテルの誕生だった。
■アリビアーモだからこその体験を

もうひとつ大切にしたのは、アリビアーモだからこそお客様に届けられる体験であること。
「アリビアーモはスターバックスの中で日本にひとつしかないバー。コーヒーやティーを融合させていることが最大の武器です。そしてフィーチャーするのは平川ワイナリーのワイン。どこにでもあるワインカクテルにはしたくありませんでした」そう滝川さんは語る。
その想いが強く表れているのが、ロゼワインのカクテル。ワイン×コーヒー×ティーが口の中で三位一体となる、唯一無二の一杯だ。「アリビアーモでは、ここで初めてお酒を飲むという方や、バー体験が初めてという方も珍しくありません。そういう方に、ワインってどんな味?というところから世界を広げてあげられるような一杯にしたいと思いました」

キュベ ガストロノミックというワインの名の通り、フードペアリングも楽しんでほしいと言う滝川さんのおすすめも教えてもらった。
白ワインのカクテルには、オリーブたっぷりのスフィラティーニ オリーブ(000円)。「魚介の旨味とも抜群に合いますし、ピザのように油分のある料理でも口の中をすっと洗い流してくれるような軽やかさがあります。合わせる料理によって味わいの広がりが楽しめますよ」

ロゼワインのカクテルにはストロベリーたっぷりのタルト、クロスタータ フラーゴラ(1300円、冬から春の季節限定)。「ベリーのような風味と干しブドウを思わせる香ばしさがあるので、レーズン系のブレッドとも相性がいいです」

そのままでも、フードと合わせても楽しめる2つのワインカクテル。ワインの世界を広げてくれる一杯を、ぜひ味わってみよう。
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※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。

