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「ありえないですから」江川卓が語った“空白の1日”の真相と“怪物”をめぐる苦悩の連続<プロ野球 レジェン堂>

「ありえないですから」江川卓が語った“空白の1日”の真相と“怪物”をめぐる苦悩の連続<プロ野球 レジェン堂>

「プロ野球レジェン堂」
「プロ野球レジェン堂」 / ※提供画像

4月21日に放送された「プロ野球 レジェン堂」(毎週火曜夜10:00-10:55、BSフジ)では、先週に引き続き江川卓がゲストとして登場。今回の放送では過去に番組へ出演した西本聖と掛布雅之による“江川証言”から、高校時代の知られざる苦悩、甲子園での忘れられない一戦、そして日本球界を揺るがせた「空白の一日」の舞台裏まで濃密なエピソードが次々と語られた。

■西本聖、掛布雅之も証言…“怪物”江川卓が背負っていた注目と孤独

番組ではこれまで数々のレジェンドたちから怪物・江川卓のエピソードが語られてきた。西本は「本当にボールが浮いてきた」と改めて“ホップする球”の脅威を証言。掛布も江川の投球練習を初めて見た当時、「今まで聞いたことがないような音を出していました」と回想した。球の軌道だけでなく“投げ込んだ際のミットで受ける音”まで印象に残っていたというのだから、その衝撃の大きさが伝わってくる。

だがそんな証言に対し、江川本人は意外な事実を明かす。「どこに誰がいるかわからないから、ブルペンで全力で投げたことないんですよ」と語り、8割程度の力で投げていたという。全国から注目を集める投手だったからこそ、球筋を見られて研究されることを避けるためにあえて力を抑えていたというのだ。

そうした輝かしいエピソードの一方で、全国区の人気は江川に別の代償ももたらしていた。学校には毎日のように取材が殺到し、わずかな休み時間にさえマスコミが押し寄せる。そのため友人やチームメイトと昼食をともにすることも難しかったという。江川は「それが嫌だったですね」と当時の本音を吐露すると、MCの徳光和夫も「あえて自分を孤独にしていたわけじゃないんですよ。みんなと戦いたい気持ちはあった」と江川の気持ちを代弁する。

江川の現役時代を知るファンの中には、孤独や孤高といったイメージをもっている人も多いかもしれない。しかし“怪物”と呼ばれた存在の裏に、普通の高校生らしい寂しさがあったことがうかがえる印象的な場面だった。

■「ストライクをとろうという気持ちはなかった」…甲子園で初めて一つになった瞬間

江川は当時の作新学院について、「そんなに点が取れるチームじゃなかったので、何かで1点取られると負けちゃうっていう意識が強かったですね」と振り返る。実際、公式戦の記録を見ても接戦が多く、江川が背負う重圧は相当なものだったと想像できる。

さらに江川自身が常にマスコミに囲まれていたこともあり、チームメイトと普段から十分にコミュニケーションを取れていたわけではない点もネックに。決して理想的なチームワークとは言えなかった作新学院が初めて本当の意味で1つになれた舞台は、1973年夏の甲子園だった。

銚子商業との一戦。雨の中延長12回まで投げ抜いた江川は制球を乱し、1死満塁の大ピンチを迎える。フルカウントとなった場面で江川は内野陣をマウンドへ集め、「自分が思ったボールを投げたい」と告げた。するとあるチームメイトから、「お前がいたから春も夏も甲子園に来られたんだから、好きに終わっていいよ」と声をかけられたという。

その言葉を受けた江川は、「3年間で一番速いボールを投げよう」と全身全霊を一球に込めた。このとき「ストライクをとろうという気持ちはなかった」そうだ。結果は押し出しで敗れてしまったが、この瞬間こそが江川にとって作新学院の仲間たちと“本当の意味”でつながれた時間だったと振り返る。客観的に見ると敗戦の事実は重いものの、江川本人は清々しい気持ちで終えることができたという。一切の悔いは残っていないと言い切るその姿に、嘘や見栄の陰りはなかった。

■“空白の一日”の真相と江川の苦悩 イメージを覆した2週連続SP

江川を語る上で欠かせないのが、日本球界を揺るがせた「空白の1日」だろう。今回の放送では、その当事者である江川自身の口から一連の経緯が詳しく語られた。

ドラフト会議当日、江川は本来であれば米国で待機している予定だったが、直前に父親から「巨人に入れるかもしれないから日本に帰ってこい」と連絡を受けて急きょ帰国。その後、一度は読売ジャイアンツと“ドラフト外”で契約を結ぶことになるが、当時の野球協約の盲点を突くような形だったことで世間から大きな批判を浴びてしまう。

実際の契約にあたって江川は「これ、もめないんですか?」と懸念を示したものの、関係者は「条文が正しいんだから、それに従ってやればいいことなんで」と説明。同席していた父にも「大丈夫なの?」と確認したが、「読んだとおりだ」と返されるのみだったという。しかも記者会見まで1時間、すでに会場の準備も整っていたため、その場で判を押さざるを得なかったという展開はあまりにも生々しい。

しかしこのドラフト外契約はプロ野球実行委員会によって却下され、結果として白紙に戻される。翌日のドラフト会議を巨人がボイコットしたため阪神が江川を1位指名し、最終的に巨人・小林繁との電撃トレードによって江川の巨人入りが決まった。

江川本人は他の選手に迷惑が及ぶことを避けたいと考え、「金銭トレードじゃないと僕はできません」と球団側へ伝えていたという。しかも相手が大先輩の小林。江川の意向を脇に置いて成立した交換トレードに対し、「ありえないですから」と当時の率直な思いを語る表情が印象的だ。

今回の2週連続SPでは、幼少期から高校時代、そしてプロ入り直前までの江川卓の歩みが語られた。そこから浮かび上がったのは、世間が抱くような“孤独で冷徹な怪物”とは異なる人物像。注目され続けることへの戸惑い、仲間と過ごせない寂しさ、周囲の事情に翻弄される苦悩…そのどれもが人間味にあふれており、遠藤玲子が「こんなにイメージが180度変わったゲストは初めて」と驚いたのも納得できる。

番組の最後、徳光が「また新たな収録をさせてもらえませんか?」とカメラ越しに交渉すると、江川も「徳さんがおっしゃるなら、僕は断る理由がないので」と快諾。今回だけではとても語り尽くせないほどの濃い人生を歩んできた江川だけに、プロ入り後の活躍や、まだ明かされていない秘話にも期待が高まる。

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