2026年4月下旬現在、ゴールデンウィークや歓迎会など、人が集まる機会が増えるこの季節。
集まりを盛り上げようと、さまざまな企画が催されます。
例えば、みんなで持ち寄ったお菓子をまとめ、じゃんけんで勝った人が独り占めにする…そんなケースもあるかもしれません。
気軽に楽しめる企画ではあるものの、このような疑問を持つ人もいるようです。
「これって立派な賭博罪にならないのか」
「金銭を賭けるのと何が違うの」
お菓子を賭けた勝負は、果たして法的にどのような扱いになるのでしょうか。
弁護士「原則として賭博ですが、例外があります」
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親睦を深めるためのじゃんけん大会は、法律違反になってしまうのでしょうか。
大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――お菓子を賭けてじゃんけんを行う行為は、刑法が定める『賭博罪』にあたりますか。
原則として賭博罪に該当すると考えられます。
刑法第185条では、偶然の勝敗により財物を賭け、得喪(利得と喪失)を争う行為を禁じているからです。
じゃんけんも『偶然の勝敗』に含まれるため、本来は処罰の対象になり得ます。
――では、お菓子を賭けるのもアウトということですか。
そこには『一時の娯楽に供する物』という明確な境界線があります。
条文には「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる時は、この限りでない」という例外規定があるのです。
一般的に、その場ですぐに消費してしまうような価値の低いものであれば、例外として認められます。
例えば、その場で食べる駄菓子やスナック菓子、あるいはジュース1本程度であれば、法的に処罰されることはまずありません。
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――逆に、お菓子であってもアウトになるケースはありますか。
お菓子の内容や価値によっては注意が必要です。
例えば、1箱数万円もするような超高級スイーツや、換金性が高いものを賭ける行為は、例外とは認められない可能性があります。
当然ですが、お菓子の代わりに『現金』を出し合って総取りにする行為は、たとえ少額であっても賭博罪に該当するリスクがあるため、避けるべきです。
誰もが笑顔で過ごせる思い出のために
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この問題は、法律で白黒つける以上に、私たち一人ひとりの『節度』が大切でしょう。
主催する側は、あくまで『その場の楽しみ』の範囲に収まる景品を用意する。
参加する側は、負けても笑って済ませられる範囲であることを理解し、マナーを守って楽しむことが大事です。
『ギャンブル』ではなく、あくまで『親睦のための遊び』。
その境界線をしっかりと意識することが、結果として誰もが安心して楽しめるイベントにつながるのではないでしょうか。
「お菓子だから大丈夫」と過信せず、少しだけ想像力を働かせることが、楽しい思い出を汚さないための、大人としてのマナーといえそうですね。
[文・取材/LUIS FIELD 構成/grape編集部]

