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靴下の跡が消えないのは危険? 「腎不全のむくみ」を見逃さないコツ【医師解説】

靴下の跡が消えないのは危険? 「腎不全のむくみ」を見逃さないコツ【医師解説】

靴下の跡がなかなか消えない、朝起きるとまぶたが腫れぼったい――こうした「むくみ」は、体内に余分な水分が蓄積していることを示す医学的なサインです。急性腎不全では、腎臓のろ過機能が低下することでこのむくみが生じます。日常生活の中でむくみに早期に気づくための具体的なチェックポイントと、注意が必要な場合の対応について解説します。

田中 茂

監修医師:
田中 茂(医師)

2002年鹿児島大学医学部医学科卒業 現在は腎臓専門医/透析専門医として本村内科医院で地域医療に従事している。
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学

むくみ(浮腫)と急性腎不全:気づきのポイントと対処

急性腎不全で非常に多くみられる症状の一つに「むくみ(浮腫)」があります。むくみは、単なる美容上の問題ではなく、体内に水分が過剰に溜まっていることを示す重要な医学的サインであり、腎臓の機能低下と密接に関連しています。

なぜ急性腎不全でむくみが生じるのか

腎臓が正常に機能している間は、摂取した水分や塩分(ナトリウム)の量は、尿として排出される量と厳密にバランスが保たれています。しかし、急性腎不全によって腎臓のろ過機能が低下し、尿量が減ると、このバランスが崩れます。排泄しきれなかった水分と塩分が体内にどんどん蓄積していき、血管の外の組織(間質)に漏れ出した状態が「浮腫(ふしゅ)」、つまりむくみです。浮腫は重力の影響を受けやすいため、立っている時間が長い日中は足首やすねなど下半身に現れやすく、一晩寝て起きた朝には顔、特にまぶたが腫れぼったくなるという特徴があります。さらに、腎臓の障害によって尿中に大量のタンパク質(特にアルブミン)が漏れ出てしまうタイプの腎不全では、血液中のアルブミン濃度が低下します。アルブミンには血管内に水分を保持する働き(膠質浸透圧)があるため、これが低下すると血管から水分が漏れ出しやすくなり、むくみをさらに悪化させる原因となります。

むくみへの日常的な気づき方と注意点

むくみに早期に気づくためには、日頃から自分の身体を観察する習慣が大切です。具体的なチェックポイントとしては、①靴下の跡が夕方になってもなかなか消えない、②指輪がきつくなる、③すねの骨の上を指で5秒ほど強く押したときに、へこみがしばらく残る(これを「圧痕性浮腫」と呼びます)、④理由なく体重が数日間で2〜3キログラム以上急増する、などが挙げられます。特に、毎朝同じ条件で体重を測定する習慣は、客観的に体内の水分量を把握するうえで有効です。ただし、注意しなければならないのは、むくみは急性腎不全だけでなく、心不全、肝硬変、甲状腺機能低下症、栄養失調など、他のさまざまな病気でも起こりうるということです。そのため、むくみが続く場合や、息切れ、だるさなど他の症状を伴う場合は、自己判断で様子を見るのではなく、必ず医療機関を受診し、原因を正確に診断してもらうことが重要です。

まとめ

急性腎不全(急性腎障害)は、腎機能が急激に低下する深刻な状態ですが、早期発見・早期治療が予後を大きく改善させます。尿が出ない、身体がむくむ、急にだるくなったなどのサインを見逃さない意識と、迅速な受診が最大の鍵です。日頃からの脱水予防と薬剤の慎重な使用が重要ですが、特に心不全や慢性腎臓病をお持ちの方は、水分・塩分管理について必ず主治医の指示に従ってください。
気になる症状がある場合は、決して自己判断せず、腎臓内科やかかりつけ医に相談しましょう。

参考文献

日本腎臓学会「診療ガイドライン」

厚生労働省「腎疾患対策」

厚生労働省「慢性腎臓病(CKD)」

厚生労働省「腎臓健康習慣」

日本透析医学会「透析療法について」

配信元: Medical DOC

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